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2015 Fiscal Year Research-status Report

AU-rich element 依存性mRNA制御と関節リウマチ滑膜細胞機能変換

Research Project

Project/Area Number 26461463
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

山崎 聡士  広島大学, 病院(医), 病院助教 (30367388)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉山 英二  広島大学, 病院(医), 教授 (70179167)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords関節リウマチ / 滑膜細胞 / サイトカイン / AU rich element / RNA結合タンパク / 3'非翻訳領域 / デュアルレポーター / アプタマー
Outline of Annual Research Achievements

平成26、27年度に、当初の計画通り、Dual luciferase reporter を使用して、サイトカインにより制御されるmRNAのスクリーニングを終了し、複数のmRNAがサイトカインによる制御を受けていることを発見した。その中でも、IL-1betaにより発現が誘導されるmRNAとしてCXCL2 mRNAが同定された。CXCL2は好中球遊走因子として機能し、関節リウマチを含めた炎症性疾患において重要な病態因子であることから、さらに解析を進めた。
CXCL2 mRNAのレポーター活性はIL-1betaの濃度依存性に誘導される。この現象は、ヒト関節リウマチ滑膜細胞をIL-1betaによって刺激した際にCXCL2 mRNAの発現が他のサイトカイン(TNF, IL-6, IL-17など)と比較して著しく誘導されることと一致した。このようにして、レポーターを用いたスクリーニングによって見出された現象が、関節リウマチにおいて重要な病的役割を持つ滑膜細胞で起こることが確認された。
さらに、IL-1betaによるCXCL2 mRNAの制御メカニズムの解明を行った。具体的には関節リウマチ滑膜細胞に対してIL-1beta刺激を行った後、アクチノマイシンDによって新規転写を停止させ、同細胞におけるCXCL2 mRNAの半減期測定を行った。結果としてIL-1beta刺激によってこれが7倍程度に延長することを確認した。このため、IL-1betaは滑膜細胞においてCXCL2 mRNAを安定化させ、CXCL2の産生を促進するという発現亢進のメカニズムが判明した。
サイトカインで活性化されるmRNA結合タンパクの作用に関する検討では、TTP, TIA1, TIAR, HuRといった既知のRNA結合分子をレポータープラスミドと共発現させることによって、CXCL2 mRNAの3'UTRを有するレポーターの活性に影響を与えることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26、27年度に予定した計画として、サイトカインにより制御を受ける可能異性があるmRNAのスクリーニングを行った。この期間内にmRNA 3'UTRをクローニングした23種類のpmirGLO reporter plasmid を用いて、11サイトカインによる刺激によるスクリーニングを完了し、その結果mRNA 3'UTRに影響を与えうるサイトカインとmRNAの組み合わせを複数同定することに成功した。その中には関節リウマチをはじめとする炎症性疾患と関連するものが含まれており、今後の研究計画を遂行する価値があるスクリーニング結果が得られたと判断したため、27年度以降に施行する予定の研究計画に着手した。
具体的には、IL-1betaによるCXCL2 mRNAの制御の可能性に着目し、サイトカインによるmRNAの半減期測定に関してレポーターmRNAを用いて確認し、さらに内在性のCXCL2 mRNAに関しても、滑膜細胞においてIL-1betaがCXCL2 mRNA半減期を延長させることを確認できた。サイトカインで活性化されるmRNA結合タンパクの分子メカニズムに関する研究も開始し、TTP, TIA1, TIAR, HuRといった既知の分子がCXCL2 mRNAの3'UTRに作用することを確認した。以上平成27年度までの研究計画に関しては、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

IL-1betaによってCXCL2 mRNAの分解が抑制されることが確認された。今後、サイトカインによるmRNA制御の分子メカニズムの探索を目指して、IL-1beta刺激下でCXCL2 mRNAの3'UTRに結合するRNA結合タンパク質の解析を行う。2つのアプローチ、すなわち既知のRNA結合タンパク質の検出と未知のRNA結合タンパク質の検出を試みる。
1)既知のRNA結合タンパク質の検出
CXCL2 mRNA 3'UTRを有するレポーターを細胞にトランスフェクト後にIL-1beta刺激を加え、内在性あるいはリコンビナントTTP, TIA1, TIAR, HuRといった既知のRNA結合タンパク質との結合を確認する。
2)未知のRNA結合タンパク質の検出
CXCL2 mRNA 3'UTRを有するレポーターを細胞にトランスフェクト後にIL-1beta刺激を加え、レポーターRNAを濃縮し、これに結合していタンパク質をアミノ酸解析することで、IL-1beta刺激下でCXCL2 mRNAの3'UTRに結合する新規RNA結合タンパク質の同定を試みる。
これらの研究を行うことで、関節リウマチにおける炎症環境で細胞の機能変換が起こりうることを証明し、治療標的としての可能性を探求していく。

  • Research Products

    (7 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Upregulation of Thrombospondin 1 Expression in Synovial Tissues and Plasma of Rheumatoid Arthritis: Role of Transforming Growth Factor-β1 toward Fibroblast-like Synovial Cells.2015

    • Author(s)
      Suzuki T, Iwamoto N, Yamasaki S, Nishino A, Nakashima Y, Horai Y, Kawashiri SY, Ichinose K, Arima K, Tamai M, Nakamura H, Origuchi T, Miyamoto C, Osaki M, Ohyama K, Kuroda N, Kawakami A.
    • Journal Title

      J Rheumatol.

      Volume: 42 Pages: 943-947

    • DOI

      10.3899/jrheum.141292

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] IL-1βと IL-17Aによる AU-rich element を介したCXCL2 mRNAの制御2016

    • Author(s)
      吉田雄介  山崎聡士  熊谷和彦  野島崇樹   杉山英二
    • Organizer
      第60回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2016-04-21 – 2016-04-23
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 3’-UTR Reporter Systemを用いた関節リウマチ関連遺伝子制御機序の解明2016

    • Author(s)
      山崎聡士  吉田雄介  熊谷和彦  野島崇樹  杉山英二
    • Organizer
      第60回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2016-04-21 – 2016-04-23
  • [Presentation] Possible role of fibroblast-like synoviocytes in inhibiting osteoblastgenesis.2015

    • Author(s)
      Yamasaki Satoshi
    • Organizer
      第44回日本免疫学会学術集会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      2015-11-18 – 2015-11-20
  • [Presentation] Inhibition of Dickkopf1 Dampens Anti Osteogenic Effect of Fibroblast-like Synoviocytes2015

    • Author(s)
      Eiji Sugiyama, Yusuke Yoshida and Satoshi Yamasaki,
    • Organizer
      81th American College of Rheumatology
    • Place of Presentation
      Moscone Center,San Francisco,USA
    • Year and Date
      2015-11-06 – 2015-11-11
  • [Presentation] 滑膜細胞によるDKK1を介した骨芽細胞抑制の可能性2015

    • Author(s)
      山崎聡士、吉田雄介、野島崇樹、杉山英二
    • Organizer
      第43回日本臨床免疫学会総会,
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      2015-10-22 – 2015-10-24
  • [Presentation] 滑膜線維芽細胞による骨芽細胞抑制の可能性.2015

    • Author(s)
      山崎聡士、野島崇樹、吉田雄介、熊谷和彦、杉山英二
    • Organizer
      第59回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2015-04-23 – 2015-04-25

URL: 

Published: 2017-01-06  

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