2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461464
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西嶋 仁 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 助教 (60425410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 満 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / AIRE |
Outline of Annual Research Achievements |
Aireは胸腺髄質上皮細胞(mTEC)において組織特異的遺伝子群の発現を制御しており、Aireノックアウトマウスではその発現低下が観察される。Aireを発現させた胸腺皮質上皮細胞(cTEC)においても組織特異的遺伝子群が誘導されるのかを検討した。胸腺に酵素処理を施して分離した細胞からcTEC(CD45-, EpCAM+, Ly51+, UEA-1-)、及び、mTEC(CD45-, EpCAM+, Ly51-, UEA-1+)分画を単離して各細胞集団のRT-qPCRを行った。mTECではAireノックアウトによって発現が低下する遺伝子群(Aire依存的遺伝子)であるIns2、Sap1においても、cTECで発現したAireでは誘導されなかった。また、mTECで発現するが、Aire依存性を示さないCRPもAire発現cTECでは誘導されなかった。さらにマイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析においても、いわゆるAire依存的遺伝子群の発現はAire発現cTECでは観察されなかった。この事実は、Aire発現が組織特異的遺伝子群の発現と同義であるわけではなく、Aire発現の効果は細胞種によって異なり、組織特異的遺伝子群の発現という点においてはmTECこそがAire機能を発揮させる非常に有効な場を提供できうることを示唆している。さらに、mTECでAire依存性を示す2738遺伝子(Aireノックアウトで発現低下)に着目して、cTECでのAire依存性(トランスジェニックで発現上昇)を示す遺伝子を選別した結果、443遺伝子がmTEC、cTECともにAireのターゲットとなっていることが判明したが、特に有為に濃縮されている生物学的機能は検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AIRE遺伝子改変マウスを用いた第1報目の研究成果を誌上発表することが出来たので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、mTECにおいてAIREを過剰発現させると、どのようなtranscriptome変化が生じるかの解析をmTECをsortingした上でmicro-arrayもしくはRNA-seqで実施しようとしている。本実験には大量のmTECが必要で、そのためのマウスの準備に多少の時間がかかることが予想される。しかしながら、調製したRNAを増幅する等の方法によって、この問題点を回避出来るよう工夫したい。
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Research Products
(7 results)