2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pharmacogenetic study of methotrexate in patients with rheumatoid arthritis.
Project/Area Number |
26461477
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
川合 眞一 東邦大学, 医学部, 教授 (70129401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 竜大 東邦大学, 医学部, 助教 (40459805) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メトトレキサート / 関節リウマチ / 細胞内代謝 / 遺伝子多型 / 薬理遺伝学 / 民族差 |
Outline of Annual Research Achievements |
メトトレキサート(methotrexate, MTX)は関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)治療の基準薬の1つであるが、有効性と耐薬性については患者毎または民族間で大きく異なることが知られている。実際の臨床現場では、我が国のMTXの平均用量は概ね7-9 mg/週であるのに対し、米国では15 mg/週以上である。我々は、MTX週パルス療法中のRA患者271例において赤血球内ポリグルタメート化MTX(MTXPGs)濃度を検討した。liquid chromatography-electrospray ionization-tandem mass spectrometry法で測定した赤血球内MTXPGs濃度は用量依存性に増加したが、10 mg/週以上服用中の患者では一定となった。ポリグルタメート化の効率を表すMTXPG3-5/1-2比は、副作用によりMTXを減量して継続した患者群の方が、減量した既往のない患者群よりも有意に低かった。MTXの細胞内代謝に関わるfolylpolygultamate synthetase (FPGS)の3か所の遺伝子多型のいずれもで有意なMTXPG3-5/1-2比の変動が認められたのに対し、MTX代謝に関連したトランスポータや他の酵素の遺伝子多型は影響しなかった。さらに、FPGS遺伝子変異のアレル頻度は我々の患者と米国の一般人口とで有意に異なっていた。以上より、MTXの細胞内グルタメート化の調節にはFPGSが重要であることが明らかとなった。また、FPGS遺伝子多型のアレル頻度の日米差は、MTX耐薬量の民族差の一部を説明する可能性が考えられた。これらの研究成果はSci Rep. 6, 35615; doi: 10.1038/srep35615 (2016). に掲載された。
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