2016 Fiscal Year Research-status Report
全エクソンシーケンスと血中PAD4測定による関節リウマチの新規バイオマーカー探索
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26461480
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
杉原 毅彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00716441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南木 敏宏 東邦大学, 医学部, 教授 (00282749)
針谷 正祥 東京女子医科大学, 医学部, 特任教授 (20238207)
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
石神 昭人 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50270658)
田中 雅嗣 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60155166)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 身体機能 / 低疾患活動性を目標とした治療 / PAD4 / 全エクソン領域関連解析 / PPID |
Outline of Annual Research Achievements |
東京都健康長寿医療センターの高齢関節リウマチのコホートに登録されている患者及びに外来通院中の患者238名の末梢血からDNA抽出を行い、HumanExome Beadchipによる全エクソン領域関連解析を行った。非RA1885名をコントロールとして比較したところ、疾患感受性遺伝子として Peptidylprolyl Isomerase D Cyclophilin D(PPID)が発見された。既知の報告では細胞増殖や細胞の遊走と関連が報告されている。東京都健康長寿医療センターの高齢関節リウマチのコホートに登録されている患者131名の臨床像とPPID SNPとの関連を検討したところ、現時点では疾患活動性、治療反応性、合併症との関連は認められなかった。 末梢血PAD4測定の検討では、横断的にPAD4測定を行い、末梢血PAD4値と疾患活動性(SDAI)との関連を検討したが、関連は認められなかった。 前向きコホートを使用した臨床データの解析では低疾患活動性を目標とした治療を受けた高齢発症RA患者の3年の治療成績を評価した。第一選択薬としてMTXが72.1%で開始され、生物学的製剤の1年後、2年後、3年後の使用頻度は約35%程度であった。3年後の治療目標達成者(低疾患活動性達成者)は、SDAIで約80%、寛解達成はSDAIで約50%、身体機能正常化の達成も治療開始1年目で60%が達成し、2,3年後も維持された。1年後の関節破壊進行予測因子は論文で発表済である。身体機能低下はベースラインに関しては疾患活動性と関連し、治療開始2年後は年齢、ベースラインの身体機能、1年後の治療反応性、治療開始後の有害事象有無が関連した。75歳以上でも身体機能が改善することも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初末梢血PAD4の測定で疾患活動性と関連することを期待し、PAD4 SNPとの関連、縦断的なPAD4測定とPAD4と有効性、安全性データとの関連を解析する予定であった。しかし、末梢血PAD4値は関節リウマチ患者でも上昇していないケースも多く、横断的な検討では疾患活動性との関連は認められなかった。そのため、末梢血PAD4測定による研究の継続は予定どおりに進まなかった。 全エクソン領域解析については東京都健康長寿医療センターでは症例数を増やしてきた。共同研究先ではPAD4研究と合わせて行う予定であったが、PAD4研究が予定通りに進まなかったため、共同研究先でのDNA採取は遅れている。 臨床研究と臨床データの解析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は全エクソン領域解析については症例数をさらに増やして、PPIDと臨床像との関連を検討する。また、既知の日本人RAの疾患感受性遺伝子についてのPAD4 SNP等も確認し、臨床像や治療反応性との関連を検討する。 臨床研究については、症例数が増やして、治療経過中に発現する有害事象がが身体機能低下に及ぼす影響を検討するための統計モデルを現在検討中である。解析が済んだら3年間の治療成績について論文化する。
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Causes of Carryover |
HumanExome Beadchipによる全エクソン領域関連解析を症例数を増やして今年度も解析予定。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
12月まで当院と共同研究先でDNA抽出を行い、全エクソン領域関連解析にかかる費用に残額を使用する。
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Research Products
(2 results)