2015 Fiscal Year Research-status Report
濾胞性ヘルパーT細胞の多様性と自己免疫病態への関与: SLE新規治療戦略の創出
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26461496
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中山田 真吾 産業医科大学, 医学部, 講師 (60389426)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 濾胞性ヘルパーT細胞 / インターフェロン / インターロイキン / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全身性エリテマトーデス (SLE)の病態形成における濾胞性ヘルパーT (Tfh)細胞の病原的役割とTfh細胞への分化偏向を誘導するエピゲノム機構を解明し、その誘導因子を標的とする革新的な免疫寛解導入療法への基盤構築を目的としている。昨年度まで、SLE患者では可塑性をもつTfh/Th1様細胞が増加していること、健常人由来のナイーブT細胞をIL-12 およびIFN-γで刺激するとTfh/Th1様細胞が誘導されることを報告した。 本年度は、これらの可塑性をもつヘルパーT細胞の分化を誘導する細胞内シグナルの同定とエピゲノム制御による標的分子の遺伝子発現機序の解明を試みた。まず、ヒト末梢血ナイーブT細胞をTCR架橋とIL-12刺激するとIFN-γの産生が誘導され、IFN-γを介したSTAT1リン酸化とIL-12を介したSTAT4リン酸化を介して、IL-21+Bcl-6+T-bet+のTfh/Th1様細胞が分化した。次に、Tfh細胞の分化を規定するBcl-6遺伝子へプロモータ領域へのSTAT蛋白の結合、ヒストン蛋白の修飾をクロマチン免疫沈降法にて検討したところ、ヒトCD4 T細胞におけるBcl-6遺伝子座のプロモータ領域にはSTATの結合モチーフが存在し、TCR架橋刺激によってSTAT4およびSTAT1の結合が確認された。さらに、Bcl-6遺伝子座のプロモータ領域でのSTAT結合部位には、促進型 (H3K36me3)および抑制型 (H3K9me3)の双方のヒストン蛋白修飾が認められた。 以上より、SLE患者末梢血ではIL-12-STAT4経路とIFN-γ-STAT1経路を介してTfh/Th1様細胞が誘導され、それらの誘導はサイトカインを媒介するSTATの結合を介したマスター転写因子遺伝子座のエピゲノム修飾で制御されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り、実験、解析、データ回収が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、in vitroで分化誘導したTfh細胞およびSLE患者末梢血からセルソーターで精製したTfh細胞を用いて、STAT分子や関連する転写因子の活性阻害によるエピゲノム制御を介したTfh細胞の異常な細胞表現型の是正、及び、活性化分子の発現・機能の抑制、抗体産生細胞への分化制御を検証する。
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