2016 Fiscal Year Annual Research Report
Significance of suppression of cytokine production by antibiotics against severe infections based on SIRS
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26461500
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
酒巻 一平 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 講師 (30722037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 幸枝 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10197486)
岩崎 博道 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 教授 (10242588)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本紅斑熱 / テトラサイクリン / ニューキノロン |
Outline of Annual Research Achievements |
単球系細胞であるTHP-1 (2×105)細胞をLPS (0.1 mg/mL)で刺激しサイトカインを産生させ、4時間後の上清のTNFα濃度をELISAにて測定した。LPS刺激のコントロール1079.3±12.0 (pg/mL)に比しMINO+CPFX 525.2±89.8 (pg/mL)、MINO+STFX 103.5±4.4 (pg/mL)と有意に産生抑制された。テトラサイクリン系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬併用によりTNFα産生が強く抑制されていた。その他、炎症性サイトカイン、ケモカインにおいても同様に産生抑制を抑制を認めた。つつが虫病はテトラサイクリン系抗菌薬投与により臨床症状が劇的に軽快する例が多いが、日本紅斑熱では同薬の有効性が低いことが報告されている。テトラサイクリン系抗菌薬およびニューキノロン系抗菌薬の併用が重症化回避のために最も有効性が高いと推測されているが、その機序は明らかでない。日本紅斑熱に対する重症化回避の一因として抗菌薬併用によるサイトカイン産生抑制の可能性があることが考えられた。また、現在経験的にMINO、CPFXが併用されているが、MINO、STFX併用ではより強いサイトカイン産生抑制作用を示しており、新たな治療戦略の可能性を示唆している。 これらの結果は 第9回日本リケッチア症臨床研究会 (2017年1月、)大津) において「日本紅斑熱に対するテトラサイクリン系抗菌薬およびニューキノロン系抗菌薬による サイトカイン産生抑制に関する実験モデルによる検討」として、 また、第91回日本感染症学会総会・学術講演会において「日本紅斑熱に対するテトラサイクリン系抗菌薬およびニューキノロン系抗菌薬併用によるサイトカイン産生抑制の意義」 としてそれぞれ口演にて発表した。
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Research Products
(2 results)