2015 Fiscal Year Research-status Report
新規肺炎診断法開発を目指した痰中好中球の細胞死の解析
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26461502
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (80598574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝野 和典 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40202204)
明田 幸宏 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60444527)
関 雅文 東北薬科大学, 大学病院, 准教授 (80432970) [Withdrawn]
萩谷 英大 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (30718531)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺炎 / 好中球 / グラム染色 / NETs / hyper spectral imaging |
Outline of Annual Research Achievements |
光学顕微鏡で観察する肺炎患者から採取した喀痰のグラム染色像をスペクトルデータを詳細に解析する専用のカメラを用いて観察した。このカメラにより、好中球の画像を光の波長の350nm~1100nmの範囲で151分割したデータを得る事ができた。得られたデータを専用ソフトで解析することで、人間の目では同じ色に見える色を細かく区別する事ができるようになり、その色の違いを器質的な違いとして区別できる可能性がある。つまり、喀痰グラム染色中の好中球を人間の目で観察して、その色の違いがわかならなくても、スペクトルデータを解析することで色の違いをデータとして示すことができる可能性がある。そこで我々は、喀痰グラム染色の光学顕微鏡観察像のスペクトルデータを解析することで、免疫蛍光多重染色と同じように好中球の細胞死の過程を捉えられる可能性があると考えた。この手法は特別な染色液を必要としないため、ランニングコストは安くなる。 手始めとして本年度は、肺炎疑いの複数の患者から得られたグラム染色のプレパラートを観察した。その結果、感染症に対して好中球が活性化している時には好中球のスペクトルデータに共通の傾向性が見られることがわかった。また、病日ごとにスペクトルデータの変化も見られた。つまり、肺炎を疑う症例の喀痰グラム染色での好中球をスペクトル分析することで、感染症か否か、感染症の治療経過が良好であるか否かを簡便に見分ける事ができる可能性が示唆された。ISICEM2016で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は喀痰中の好中球を光学顕微鏡で観察し、スペクトルデータを解析する方針としていた。新しい方法であったため、収集したスペクトルデータの解析方法について試行錯誤を繰り返していたため、予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
光学顕微鏡による感染症時の好中球およびNETsのスペクトルデータの蓄積と解析を進めると同時に、apotosisを誘導した好中球のスペクトルデータも集め解析を行い免疫蛍光多重染色との比較を行い呼吸器感染症の新たな診断、解析の指標の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
26年度の繰り越し分があったため27年度所要額が多くあったため一部を次年度使用額にしました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度もこれまでと同様に喀痰中好中球の免疫蛍光多重染色を行うため、試薬の購入に当てます。また、最終年度になるためこれまでのデータの解析を行う際の費用や論文作成時の英文校正などに使用する予定です。
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