2014 Fiscal Year Research-status Report
新規経口ワクチンを用いたC型慢性肝炎治療法の開発研究
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26461503
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白川 利朗 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70335446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 博 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40116249)
片山 高嶺 石川県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70346104)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | C型肝炎 / 経口ワクチン / ビフィズス菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、世界中で約1億7千万人のHCVキャリアーが存在し、インターフェロンや抗ウイルス薬によりC型慢性肝炎の治療成績は向上したものの、その根治率は未だ満足のいくものではない。HCVウイルスの排除にはHCV非構造タンパクNS3に対する細胞性免疫が大きな役割を果たしていることが報告されており、現在までに我々は、プロバイオティクスであるビフィズス菌の表層にNS3をディスプレイした新しいC型慢性肝炎経口ワクチンを作製し、マウス実験モデルにてNS3特異的なIgG抗体およびTh1反応の誘導を確認している。今回の研究では本ワクチンを用いた新規C型慢性肝炎治療法の開発研究として、NS3タンパク発現マウス腫瘍モデルを用いて、本ワクチンによる治療効果やインターフェロン併用療法の相乗効果等を確認する。現在、C型肝炎のマウス実験モデルは存在しないが、本治療ワクチンの有効性の確認手法として、マウスリンパ腫細胞EL4にHCVのNS3/4A遺伝子を安定導入し、マウス皮下に移植し本ワクチン投与による腫瘍増殖抑制効果を検討することによりNS3特異的細胞性免疫誘導の効果を確認することを計画した。また本マウスモデルを用いてインターフェロン(INF)併用の相乗効果も確認し、臨床応用に向けた新規治療プロトコールのProof of Principleを確立する。本年度、我々はNS3/4A発現マウスEL4細胞株を樹立し、皮下腫瘍モデルを作成し、本ワクチンによる腫瘍増殖抑制効果とINFの併用による腫瘍増殖抑制効果を検討した。結果、ワクチン単独投与、INF単独投与いずれも無治療群に比較して有意な腫瘍増殖抑制効果を認め、両者を併用することによってさらに強力な効果を確認した。よってINF併用、単独いずれにおいても本ワクチンの臨床応用が期待される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りにNS3/4A発現マウスEL4細胞株を樹立し、皮下腫瘍モデルにてワクチンの有効性とINF併用による相乗効果を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
生物多様性の確保、遺伝子組み換え生物拡散防止の観点から、加熱により不活化したワクチンでも同様の作用効果が得られるかを確認する。また臨床応用へ向けての大量生産法、品質安定性の確保の研究を進めていく。
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Research Products
(2 results)