2016 Fiscal Year Research-status Report
肺アスペルギルス症におけるグレリンの有用性と作用機序の解析
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26461509
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今村 圭文 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (90467960)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺アスペルギルス症 / グレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫不全患者に発症する侵襲性肺アスペルギルス症、そして肺に基礎疾患を有する患者に発症する慢性肺アスペルギルス症はともに治療抵抗性で予後不良な疾患である。肺アスペルギルス症では栄養状態が予後と関連しているという報告があり、食欲を増進させるホルモンであるグレリンの効果に着目し研究を行っている。 前年までの研究成果より侵襲性肺アスペルギルス症マウスモデルにおけるグレリン投与が生存率を改善させる可能性が示唆された。本年度はその作用機序を明らかとするため、気管支肺胞洗浄検査と病理検査、 肺組織中のサイトカイン産生を測定行なった。 方法として、免疫抑制状態としたマウスにアスペルギルスを感染させ、侵襲性肺アスペルギルス症を発症したマウスにグレリン(100μg/kg)を1日2回腹腔内に投与し、感染4日目に気管支肺胞洗浄検査(1mlの生理食塩水でマウス肺を3回洗浄し回収)と病理組織学的検査、 肺組織ホモジナイズのサイトカイン産生を測定行なった。サイトカイン測定には市販のELISAキットを使用した。 結果としては、気管支肺胞洗浄液中の総細胞数、好中球数、マクロファージ数は、有意差はないもののグレリン投与群の方が非投与群よりも多い傾向を示した。病理組織学的検査では、グレリン投与群と非投与群の間には明らかな差異は認められなかった。肺組織中のサイトカイン産生については、グレリン投与群の方が非投与群と比較してIL-10産生能が亢進していた。また、IL-6とTNF-αについては有意差はないものの減少している傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
侵襲性肺アスペルギルス症マウスモデルにおけるグレリン投与が生存率を改善させる理由について解析を進めているが、まだその機序で不明な点が残る。
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Strategy for Future Research Activity |
グレリンの作用機序をさらに深く理解するため、in vitroでの気道上皮細胞や免疫担当細胞に対するグレリンの効果を検討する。
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Causes of Carryover |
これまでの研究成果をより発展させるために、研究期間を延長した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
in vitromでの気道上皮細胞や免疫担当細胞に対するグレリンの効果を検討する。
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