2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of ghrelin for prevention in murine invasive pulmonary aspergillosis model
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26461509
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今村 圭文 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (90467960)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺アスペルギルス症 / グレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】免疫不全患者に発症する侵襲性肺アスペルギルス症、そして肺に基礎疾患を有する患者に発症する慢性肺アスペルギルス症はともに治療抵抗性で予後不良な疾患である。肺アスペルギルス症では栄養状態が予後と関連しているという報告があり、食欲を増進させるホルモンであるグレリンの効果に着目し研究をおこなった。 【方法】メスICR 7週齢マウスを免疫抑制状態とし、免疫抑制開始日よりグレリンを1日2回腹腔内投与し、予防内服としてITCZ 20mg/kgの経口投与を開始した。グレリンの対照として生食を、ITCZの対照としてデキストリンをそれぞれ投与した。免疫抑制開始から4日後にAspergillus fumigatusを気管内に投与し感染を成立させた。グレリンを計2週間、ITCZは計3週間投与を継続し、生存率、体重変化、肺内生菌数、病理所見、炎症性サイトカインにより評価を行った。 【結果】 生食群では2週間後の生存率が0%であったのに対し、グレリン群では63%と有意差を持って生存率を改善した。また、グレリン群では有意に体重減少を抑制した。しかし、肺内菌数についてはコントロール群と比較してITCZ投与群では菌数が減少していたが、グレリン単独投与群では(上記のように死亡率や体重減少を改善するにも関わらず)菌数の減少は認められないという興味深い結果が得られた。病理所見でもコントロール群とグレリン投与群には差は認めず、BALFの細胞数も差は認められなかった。肺組織中のサイトカインを測定したところ、IL-6、TNF-alphaといった炎症性サイトカインを抑制する傾向があり、また、調節性サイトカインであるIL-10の産生は優位に増加させていた。
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