2015 Fiscal Year Research-status Report
マラリア原虫の侵入時における赤血球側でのPKAリン酸化イベントの全容解明
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26461515
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
越野 一朗 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80328377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 雄一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40113740)
新敷 信人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80569658)
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90380667)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / 赤血球膜骨格 / PKAリン酸化 / デマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の仮説「PKAリン酸化によるマラリア原虫受容体のアンカーからの解離が、マラリア原虫の赤血球侵入の必要条件となる」の実証のために、赤血球膜骨格蛋白質であり赤血球におけるPKAの最も主要な標的であるデマチンの結合相手(マラリア原虫の受容体候補分子)の同定を引き続き行っている。 【現在までの進捗状況】の記述の通り、本年度は充分に研究を実施する期間が確保できなかったため、昨年度の研究実績として報告した内容の再現性を確認するにとどまっている(申請段階でマラリア受容体候補分子として挙げていたグリコフォリンA、グリコフォリンCは、PKAリン酸化によって解離しないことを確認した)。 最終年度にあたる平成28度中の研究を効率よく行う方策として、リン酸化イベントをより顕著に検出・解析できると期待される網状赤血球を用いた検討を同時並行して行う計画である(「今後の研究の推進方策 等」参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学内規定の変更により、平成27年4月からヒト赤血球の研究使用は、基礎研究であっても臨床研究と同等の倫理審査が必要となった。基礎研究と臨床研究とではその性質に相当の乖離があり、またヒト試料を用いる基礎研究の倫理申請の、学内における最初のケースであったこと等から、承認にいたるまでに数ヶ月を費やした。その間、本研究課題の遂行に必須であるヒト赤血球を入手することができず、進捗に大きく遅れが出る結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
PKAリン酸化による膜貫通蛋白質(マラリア原虫の受容体)の側方拡散の増大効果に関して、これまで通り成熟赤血球について解析を進めると同時に、PKAリン酸化がより活発に起こることが分かっている網状赤血球(未熟な赤血球)を用いて同様の検討を行う。リン酸化による影響がより増幅されて検出できることが期待され、成熟赤血球での解析の対象とすべき膜貫通蛋白質をより効率よく、かつ幅広く網羅することができると予想される。
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Causes of Carryover |
残金が小さすぎて必要な物品の購入に充てることができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度使用額と合算して、物品費として使用する。
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Research Products
(4 results)