2017 Fiscal Year Annual Research Report
Isolation and epitope analysis of broadly neutralizing antibodies against Influenza viruses
Project/Area Number |
26461517
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大島 信子 藤田保健衛生大学, 産学連携推進センター, 講師 (60387694)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 交叉反応性抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、A型インフルエンザウイルスワクチン株に幅広く交差反応する抗体をA型H3N2ワクチン液によるスクリーニングで4種類単離しており、B型株での同一ライブラリースクリーニングでも同様の抗体が単離できていることから、A型B型に広く交差反応する抗体である可能性が期待できた。これら抗体は、ウイルスの核タンパク(NP)に対するELISAでは活性を検出できなかったことから、NPに対する抗体ではないことは判明している。また、ワクチン液を使用してのウエスタンブロッティングでは、ヘマグルチニン(HA)の位置にバンドが検出されていた。本年度は、各抗体の抗原への結合を直接確認するため、昨年度に構築していた細胞表層上へのHAの発現系を用いて、細胞免疫染色による検出を試みたものの、シグナルは検出できなかった。そこで、Fab型抗体でウイルスワクチン液を免疫沈降し、別の抗HA抗体で検出したところ、コントロール抗体と比較してHA2量体3量体と思われる部分のシグナル強度が強く検出されており、抗HA抗体である可能性を否定することができなかった。Fab型抗体でのウイルス中和活性は高濃度においては活性が検出されたものの、低濃度ではほとんど検出できておらず、この検出系での生物活性は非常に弱かった。これら抗体に関する知見は、論文を作製後、投稿中である。 本研究では、当初、H3N2型が含まれるグループ2のウイルス株に幅広く交差反応する抗体の単離とそのエピトープ解析を目的としていたが、さらに幅広い交差反応性抗体の単離により、その有用性に着目し、最終的にはその解析を行った。しかしながら、複数のH3N2抗原変異株に幅広く交差反応している抗体の単離にも成功しており、A型グループ2に含まれるH3以外の他のウイルス株に対する結合活性の有無など、今後これら抗体の解析を行う必要があると考えている。
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