2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the safety and effect of novel therapeutic agents for mucopolysaccharidosis
Project/Area Number |
26461523
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
折居 建治 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (30332688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折居 忠夫 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (20045339)
戸松 俊治 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (70237105)
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90154559)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ムコ多糖症 / ポリ硫酸ペントサン / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ポリ硫酸ペントサンが ムコ多糖症患者における骨関節症状(関節痛、骨変形、関節拘縮、関節可動域制限等)の改善に有効かどうかについて検討するため、同意の得られたムコ多糖症成人患者に、ポリ硫酸ペントサンを皮下注しその安全性と治療効果について調査することを目的としている。平成26年度は、同意の得られたムコ多糖症II型成人患者3名について、ポリ硫酸ペントサンの皮下注投与を毎週1回12週間おこない、その安全性の確認と副反応の有無、効果について検討を行った。ポリ硫酸ペントサン投与前後の臨床症状(関節痛の有無、関節可動域)には大きな変化を認めなかったが、関節痛がある1名につき投与後の関節痛の軽度の改善と関節エコーでの軽度の所見の改善を認めた。皮下注した部位の軽度の内出血を認める以外に大きな副反応は認めなかった。ポリ硫酸ペントサンの蓄積性の検討では1週間後の採血で血中濃度は感度以下で蓄積は認めなかった。ポリ硫酸ペントサン投与前後の尿中ウロン酸は、投与期間中も酵素補充療法併用している2名では、大きな変動は認めず、投与期間中に酵素補充療法を中止した1名では投与後に減少し、投与終了後に増加した。ポリ硫酸ペントサンの皮下注により尿中へのウロン酸排泄が低下したと考えられた。効果判定するために必要な炎症関連バイオマーカーについての検討ではMacropharge migration inhibitory factor(MIF)、IL-10およびTNFαは、関節症状の強い患者では投与前に高値で投与に伴い低下を認め、治療の効果判定に使用できる可能性が高いと考えられた。今回は成人についての検討で、小児期でも同様の傾向をみとめるかどうかについて今後検討が必要と考えられた。どの部位の症状に関連しているかの検討を進めるとともに今後さらに骨軟骨特異的なマーカーの検索をすすめて行く予定である。
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