2017 Fiscal Year Annual Research Report
The suppressive effect of breast feeding on the progression of obesity: the combined action in adipocytes and gut endocrine cells
Project/Area Number |
26461524
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤澤 泰子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40402284)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 長鎖不飽和脂肪酸 / リポジェニック酵素 / 脂肪細胞 / 腸管細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、脂肪細胞における、複数の長鎖不飽和脂肪酸(PUFA)の組み合わせによるリポジェニック酵素の相乗的抑制のメカニズムの解明に取り組んだ。1siRNAによるノ ックダウン実験により、PPARsが、相乗効果に寄与する可能性を明らかにした。2相乗的抑制効果発現の時期は脂肪細胞の分化段階と強く関連ことがわかった。3短期的なPUFA添加ではこれらの作用は認められず、長期刺激(72時間以上)を必要とすることから、何らかのたんぱく誘導を必要とする可能性が示唆された。 本研究のスタートとなった結果は、母乳脂質添加による3T3-L1脂肪細胞の網羅的遺伝子発現解析による、リポジェニック酵素であるSCD1の 発現抑制の発見である。母乳脂質の主要なPUFAであるリノール酸(LA)と リノレン酸(ANA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(AA)に着目し、前駆脂肪細胞3T3-L1の分化誘導時(day0)から成熟脂肪細 胞段階(Day7)までのPUFA添加によるSCD1の有意な抑制と、LAとAAの持続的な同時刺激(48時間から72時間)によるSCD1発現抑制に対する相乗効果を明らかにした。 これらの結果は、母乳栄養によるメタボリックシンドローム発症への抑制効果解明の一助となる。また、より強い脂肪産生抑制効果を示すPUFA配合比の探求は、人工乳やその他の食品開発へとつながる。今後は、PUFAの相乗効果に関するさらなるメカニズムの解明が必要であり、網羅的遺伝子発現解析およびリピドミクスの組み合わせによる解析を検討している。
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Research Products
(6 results)