2014 Fiscal Year Research-status Report
ペルオキシソームの脂質代謝異常を伴う自閉症スペクトラムの治療に向けた基盤研究
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26461529
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| Research Institution | Saitama Medical University |
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Principal Investigator |
水野 由美 埼玉医科大学, 医学部, 特任研究員 (20584014)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲地 豊 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10522097)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | ペルオキシソーム / Tysnd1 / 脂質代謝異常 / 歯状回 / 小脳 / 網羅的行動解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ペルオキシソームは、超長鎖脂肪酸のβ-酸化やフィタン酸の酸化、プラスマーローゲン合成などの重要な脂質代謝を担う。このペルオキシソームで働くプロテアーゼであるTysnd1を欠損したマウスでは、ペルオキシソームの脂質代謝異常を示す事をこれまでに報告した(Mizuno Y. et al.2013)。このTysnd1欠損マウスを使い、網羅的行動解析を行った結果、不安様行動の低下、社会的行動の低下、文脈記憶の低下が見られ、ペルオキシソームの脂質代謝異常と自閉症の発症には何らかの関連があると考えられた。ICRマウス脳の免疫組織染色の結果から、Tysnd1は、海馬歯状回と小脳、嗅球に多く発現していた。そこで本年度は、歯状回と小脳の病理解析を進めた。Tysnd1欠損マウスの歯状回ではPSA-NCAM抗体陽性細胞が減少していた。また、小脳プルキンエ細胞の形態的な変化が観察された。以上の結果から、Tysnd1欠損によるペルオキシソームの脂質代謝異常は、歯状回と小脳の形態学的な異常をもたらしており、歯状回と小脳の異常が自閉症様の行動異常につながった可能性が考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス実験に関しては、脳の病理解析を進めておりおおむね順調である。ヒトの遺伝子解析については、エクソームシーケンスは、ある程度の検体数をそろえた方がシーケンスコストを抑えられるため、現在、検体を収集中であることからやや遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、Tysnd1欠損マウスの脳の解析を行う。形態異常の見つかった歯状回と小脳で、自閉症発症のメカニズムを明らかにするため、神経細胞の観察や遺伝子発現解析などを行う。また、自閉症患者および、ペルオキシソーム病、軽度ペルオキシソーム病患者の血液サンプルの収集を行う。エクソームシーケンスにより、責任遺伝子の同定を行う。
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| Causes of Carryover |
エクソームシーケンスを行うにあたり、ある程度のサンプル数まで増やしてから行う方が効率的がよいため、次年度に繰り越した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のエキソームシーケンス予定額と合わせてまとめて解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
