2016 Fiscal Year Annual Research Report
Precise diagnostic trace elemental imaging by synchrotron-generated X ray
Project/Area Number |
26461534
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松浦 晃洋 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70157238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杵渕 幸 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30244346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微量元素異常 / 遺伝病 / 銅 / ウィルソン病 / メンケス病 / ヘモクロマトーシス / 放射光X線 / 組織元素イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究により放射光による微量元素異常疾患の病理診断と病態解明の基礎を構築した。第一に検出感度と十分な空間解像度は2つの施設(PF, SP8)での実測から至適条件を確立し、光源輝度・安定性・操作性に加え、イメージング診断に掛かる長時間のビームタイムの確保が現実となった。第二に医学生物学に特化した専用ラインはないため、フロントエンド及び分光装置下流以降の測定ハッチ内に集光・検出・スキャンの装置等を、その都度設営し種々の条件を最適化する必要がある。極めて熟達し運転モード(バンチ、トップアップ・積上げなど)が変わっても高い再現データが得られ病理診断では世界トップレベルである。第三は測定用試料の調整で、試料固定(未固定)・薄切・採片などの一連の試料作成過程の標準化を行った。第四に画像解析プログラムの開発で元素の可視化が容易かつ高精度となった。手法を工夫しながら、銅過剰、銅欠乏、鉄過剰を解析した。ウィルソン病では組織化学銅染色が完全陰性の早期から銅の豊富な蓄積を初めて明らかにした。進行すると分布の変化が起こる。ATP7B遺伝子変異のない症例で銅過剰を証明でき、新規疾患の可能性を探っている。生化学的な解析は極めて感度が高いが、針生検などの微少量では秤量誤差や再測定不可のため信頼性が低い。一方、放射光病理分析では切片1枚で測定可能で相対定量ができ針生検試料でも再現性のある結果が得られた。客観的治療効果判定が可能となり、局在部位と細胞傷害の関係について興味深い知見を得ている。症例を重ね、病期進行や治療反応性の指標とする。微小領域の絶対定量と遷移元素の化学状態の検討のステップに入った。
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Remarks |
全国レベルの統合診断に係る共同研究の開始に備え、藤田保健衛生大学において2016年3月23日から臨床試験を開始した。
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Research Products
(22 results)