2015 Fiscal Year Research-status Report
小児生活習慣病に対する効果的運動介入方法の構築:指標としてのマイオカイン系の解明
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26461535
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山本 幸代 産業医科大学, 医学部, 講師 (20279334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 俊介 産業医科大学, 医学部, 助教 (20515481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児肥満 / 小児メタボリックシンドローム / マイオカイン / ケモカイン / 内臓脂肪面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象は肥満度20%以上の6歳~16歳の44人(男児26人、女児18人)。軽度~中等度肥満は22人(男児14人、女児8人)、高度肥満は22人(男児11人、女児11人)。小児メタボリックシンドロームの基準に当てはまったのは18人。MSと非MSの比較では、年齢は両群間で有意差を認めなかった。腹囲、BMI,BMI-SDS、肥満度はMS群が有意に高値であった。皮下脂肪面積と内臓脂肪面積もMS群が有意に高値であった。 FPG, インスリン濃度, HOMA-R, ALT, HDL-C, TG、アディポネクチン濃度はMS群が有意に高値であった。CCL2の濃度の中央値は81.2 [13.9-343.3] pg/mL,CCL5は6,856.6 [210.2-84,773.0] pg/mL、CXCL9は90.53 [24.29-936.7] pg/mL、CXCL10は212.03 [27.74-522.7] pg/mLで。CCL2濃度はMS群が非MS群と比べ有意に高値であった。(138.4 pg/mL vs. 41.86 pg/mL, p<0.05). CCL2は FPGとのみ正の相関を示した。CCL5 はUAのみ正の相関を示した。CXCL9 はFPG とHOMA-Rで負の相関を示した。 CXCL10は 内臓脂肪面積、ALT、UA 、LDL-Cと正の相関、FPGと負の相関を示した。軽度~中等度肥満群では内臓脂肪面積はCXCL10濃度と正の相関を示したが、高度肥満群ではCCL2と正の相関を示した。 興味深いのは軽度~中等度肥満の児は内臓脂肪面積とCXCL10が相関を示したが、高度肥満になるとCCL2と内臓脂肪面積が相関を示していたことである。軽度肥満からMSに至るまで、初期はCXCL10、その後はCCL2が肥満の進行に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに検討しているケモカインとことなり、マイオカインは身体活動性、運動強度との関連も検討する必要がある。現在は肥満小児を対象に、ライフコーダを用いた身体活動性の評価を行っている段階であり、ほぼ予定通りに進行している。また、DVDを用いた運動プログラムによる運動介入によるマイオカイン分泌に対する影響 、運動介入によるマイオカインレベルの変動を検討する予定としている。運動DVDを作成している段階でありその点が予定よりも少し遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として、肥満小児およびメタボリックシンドローム児における血中ケモカインレベルと同様にマイオカインレベルを測定し、血中マイオカインレベルの変動と身体活動レベル、肥満関連因子、内臓脂肪蓄積量、肥満関連合併症、との関連を検討する。 また、肥満小児に対し独自に開発したDVDによる運動プログラムを用いた運動介入によるマイオカイン分泌動態に対する影響を検討する。 運動介入による血中マイオカインレベルの変動と身体活動レベル、肥満関連因子、内臓脂肪蓄量、肥満関連合併症、などの指標の改善との関連を検討する。運動プログラム(DVDプログラム)は、持久性運動トレーニングとして有酸素運動のプログラム:エアロビクス運動によるプロラム(中等度程度の運動強度で10分間約1000歩のプログラムを2~3プログラム収録)レジスタンス運動トレーニングとして自重を用いたトレーニング:脚・お尻の運動、すねの運動、ももの前の運動、お腹の運動、腰・お尻の運動、上半身の運動と全身を6つの運動による筋肉トレーニングを行うプログラムを作成。DVDプログラムを、週3 ~ 4 回実施することを指導する。日常生活全般にわたる運動実施のモニターとして、また生活活動性のモニターとして、ライフコーダにより身体活動モニターを継続する。この運動介入開始前と介入開始後の定期受診の際に、経時的な諸検査を実施する。
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Causes of Carryover |
マイオカインの測定を行う、肥満小児、メタボリックシンドローム小児の対象者を増やしている段階であり、当初予定していた測定数が十分そろっていない。 翌年度も引き続き、対象者を増やしていく必要がある。 翌年度に、その対象者増加分を含めて、測定、解析をすすめる計画にしている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度に、その対象者増加分を含めて、マイオカイン測定、解析をすすめる計画にしている。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Postnatal changes in skin water content in preterm infants2015
Author(s)
Ishiguro A, Fujinuma S, Motojima Y, Oka S, Komaki T, Saito A, Kawasaki H, Araki S, Kanai M, Sobajima H, Tamura M
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Journal Title
Early Hum Dev
Volume: 91
Pages: 505-509
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Peripheral administration of glucagon-like peptide-1and cholecystokinin-8 activates nesfatin-1-containing neurons in the hypothalamus and brainstem of rats2015
Author(s)
Yamamoto Y, Saito R, So M, Motojima Y, Matsuura T, Yoshimura M, Hashimoto H, Kusuhara K, Ueta Y
Organizer
Neuroscience meeting 2015
Place of Presentation
Chicago Convention Center, Chicago, IL, USA
Year and Date
2015-10-17 – 2015-10-21
Int'l Joint Research
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[Presentation] Milk deprivation and refeeding during preweaning period alter galanin like peptide gene expression in the posterior pituitary2015
Author(s)
Goto M, Yamamoto Y, Kubo K, Ishii M, Saito R, Araki S, Kawagoe R, Kawada Y, Kusuhara K
Organizer
The 8th Asia-Oceania Conference on Obesity
Place of Presentation
Nagoya International Convention Center, Nagoya, Japan
Year and Date
2015-10-02 – 2015-10-04
Int'l Joint Research
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[Presentation] The effect of milk deprivation and refeeding on galanin-like peptide gene expression in neural lobe of rat pituitary2015
Author(s)
Goto M, Yamamoto Y, Kazuyasu K, Ishii M, Saito R, Araki S, Kawagoe K, Kawada Y, Kusuhara K
Organizer
The 11th Congress of Asian Society for Pediatric Research
Place of Presentation
Osaka International convention center, Osaka , Japan
Year and Date
2015-04-15 – 2015-04-18
Int'l Joint Research
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