2015 Fiscal Year Research-status Report
成長障害の病態解明―新たなアプローチによるGH-IGFs系シグナル異常の解明
Project/Area Number |
26461546
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鞁嶋 有紀 鳥取大学, 医学部, 講師 (20403412)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 成長障害 / GH-IGF系経路関連蛋白 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の遂行前に、鳥取大学医学部倫理委員会へ申請、認可後に、研究を開始した。 平成27年度に12サンプルについて、同意取得後DNAを抽出、連結可能匿名化し、本学生命機能研究支援センターにて、以下の方法で次世代シークエンス解析を行った。イルミナ社MiSeqにて TruSightOneシーケンスパネル(ヒト遺伝子変異データベース(HGMDプロフェッショナル)、オンライン・ヒトメンデル遺伝形質(OMIM)カタログ等に登録されている疾患の原因遺伝子 4813遺伝子の検査が可能)を用いてデータを取得、この中からGH-IGF系経路関連蛋白遺伝子(GHR,STAT3、STAT5,IGF-1, IGF-2 ,IGFALS,IGFBP3,IGFBP5,IGF1R,IRS1,IRS2など)のデータを取りだし、変異の有無を確認した。見出された変異を機能予測ソフト、データベースを用いてSNPか、希少変異かの検討を行った。 次世代シークエンサー解析は、12サンプルのうち、10サンプルの解析を終了した。そのうち1サンプルにIGFALSとIRS1の希少変異を、1サンプルにIGFBP5の希少変異を同定した。それぞれの希少変異をダイレクトシークエンス法で確認したところ、IGFALSはp.Arg229His(未報告)、IRS1はc.2054_2059delGCAGCA 、IGFBP5はp.Gly44Serのヘテロ変異が判明した。現在、これらの変異ベクターを作成中である。作成完了後機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開始年度(平成26年)は、倫理委員会の承認を得るのに時間を要し、実際に次世代シークエンサー解析が開始できたのが、平成27年度であった。また、解析サンプル数が12とまだ少ない状況にある。希少変異は、その中でも同定できたが、機能解析の進行に時間を要している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
解析サンプルを新たに増やしながら、同定した希少変異の機能解析を進める予定である。IRS1変異あるいはIGFBP5変異を伴う成長障害はこれまで報告にないため、重要な研究になると思われる。 変異IRS1に関しては、FLAGタグ付のベクターを作成し、NIH3T3細胞に導入し、IGF1,インスリンで刺激し、リン酸化能およびDNA合成能について評価を行う。 変異IGFALS、IGFBP5に関しては、FLAGタグ付のベクターを作成し、HEK293細胞に導入し、IGFALSの発現量の検討、培養上澄より免疫沈降法にて、IGF1との結合を確認する予定である。 上記の方法にて変異による機能低下が証明されれば、論文を作成し、発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度、倫理委員会の申請承認に時間を要したこと、対象サンプルが予定より少なかったことで、次年度使用額が生じた。(当初から解析費用でほぼ研究費を使用する予定であったため)
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後もサンプル数を増やし、解析を増やす他、見出された変異の機能解析(ベクター作成、導入細胞作成)に費用が掛かる予定である。
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