2014 Fiscal Year Research-status Report
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26461558
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
川井 正信(カワイマサノブ) 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, 研究員 (50598117)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概日リズム / カルシウム代謝 / VDR / 骨量 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管概日リズムによるミネラル・骨代謝制御機構のメカニズムを解明するために、腸管特異的Bmal1欠損マウス(Int-Bmal1 KOマウス)を、Bmal1-floxマウスとvillin-Creマウスを交配することにより作出した。まず最初にInt-Bmal1 KOマウスの十二指腸を用い、時計遺伝子の発現プロファイルを検討したところ、Bmal1の欠損に伴い、Per1,Rev-erba,Dbp,Cry1など多くの時計遺伝子の発現パターンが変化していた(位相・振幅の変化)。次に、骨代謝を規定する重要なミネラルであるカルシウム(Ca)に着目し、Ca吸収にかかわる遺伝子発現のリズムを検討したところ、Vdr,Trpv6,CalbindinD9kなどの遺伝子のリズム性発現パターンがInt-Bmal1 KOマウスで消失していた。この結果に一致して、十二指腸からのCa能動輸送はInt-Bmal1 KOマウスで減少していた。また、Ca吸収低下に伴い、血液中PTHは代償性に上昇していた。骨の表現型を検討したところ、骨量はInt-Bmal1 KOマウスで減少していた。骨形態計測から、破骨細胞数が増加しており、高PTH血症に伴い骨吸収が亢進していると考えられた。重要なことに、代償性骨吸収の亢進により血液中Ca濃度は、Ca吸収異常があるにも関わらず、正常に維持されていた。 これらの結果は、腸管の概日リズム異常はCa吸収低下を引き起こし、その結果骨量減少の原因になる可能性を示唆していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標である、Int-Bmal1 KOマウスでの表現型解析を終了できたことから、本研究は順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は、時計遺伝子によるCa吸収制御の分子メカニズムを解明することと初年度に見出した所見のヒト疾患モデルおける意義を検討することである。分子メカニズムに関しては、Ca吸収の鍵分子であるVDRに着目し、Bmal1/ClockによるVDR発現制御機構を検討する。ヒト疾患モデルに関しては、閉経後骨粗しょう症に焦点を当て、卵巣摘出後の骨量減少に腸管概日リズムが関与しているか検討を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Elevated fibroblast growth factor 23 exerts its effects on placenta and regulates vitamin D metabolism in pregnancy of Hyp mice.2014
Author(s)
Ohata Y, Yamazaki M, Kawai M, Tsugawa N, Tachikawa K, Koinuma T, Miyagawa K, Kimoto A, Nakayama M, Namba N, Yamamoto H, Okano T, Ozono K, Michigami T.
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Journal Title
J Bone Miner Res
Volume: 29
Pages: 1627-1638
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Dysregulated gene expression in the primary osteoblasts and osteocytes isolated from hypophosphatemic Hyp mice.2014
Author(s)
Miyagawa K, Yamazaki M, Kawai M, Nishino J, Koshimizu T, Ohata Y, Tachikawa K, Mikuni-Takagaki Y, Kogo M, Ozono K, Michigami T
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Journal Title
PLos One
Volume: 9
Pages: e93840
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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