2016 Fiscal Year Annual Research Report
a novel adoptive T cell therapy exerting ADCC for pediatric cancer
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26461561
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
工藤 耕 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20455728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 力 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50195731)
佐藤 知彦 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (70587005) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児がん / 免疫療法 / 遺伝子治療 / 細胞療法 / 抗体医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、「モノクローナル抗体製剤との併用で抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を発揮するキメラ受容体CD16V-BB-zetaを用いたT細胞免疫療法」を開発した。この成果をもとに、以下の点について研究を行った。 はじめに「ADCCを発揮するシグナル伝達の改良」に関し、NK細胞で利用される細胞内シグナルとしてCD3zeaまたは FcgammaRⅠの二つが利用されていることから、FcgammaRⅠシグナル分子をさらに加えることでADCCの増強が得られる可能性があり検討を行った。CD16V-BB-zeta受容体を作成し、ヒトT細胞に遺伝子導入を行い、抗体存在下での細胞傷害性および細胞増殖能を解析したところ、細胞傷害性、細胞増殖能は同等ないし減弱することが判明し効果の改良には至らなかった。 次に、「複数のモノクローナル抗体との併用効果」の検証を行った。抗CD19抗体,CD20抗体の存在下に、B細胞性リンパ性白血病細胞株に対するCD16V-BB-zeta遺伝子導入T細胞のADCCを測定した。CD19、CD20共発現細胞株に対し、相乗効果が認められが効果にばらつきが生じることが判明し、今後の研究で、どのような条件で至適相乗効果が得られるかを解明する必要がある。 最後に、「薬剤投与による標的がん抗原の発現増加によるADCC増強」の検証を行った。ある薬剤処理により悪性腫瘍細胞表面のがん特異的抗原の発現が上昇することを確認し、細胞傷害性試験を行った。しかし、薬剤により遺伝子改変T細胞の抗腫瘍効果も阻害されることが判明し、さらなる新規薬剤の探索および効果阻害を防ぐような工夫が必要と考えられ、引き続き研究を進めている。
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