2016 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical and bacteriological analysis of nontypeable Haemophilus influenzae isolated from invasive diseases
Project/Area Number |
26461564
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石和田 稔彦 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (30344980)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザ菌 / 侵襲性感染症 / 無莢膜株 / Hibワクチン / 非b型株 / 血清型解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン導入後に発症した小児侵襲性感染症の血液・髄液等無菌部位から分離されたインフルエンザ菌28症例28株に関して臨床背景・分離菌の病原因子の解析を行った。血清型に関しては、全株、PCR法にて無莢膜株(NTHi)と同定された。細菌学的検討において、生物型は気道分離株に多い、II型(12株)とⅢ型(10株)が主体となっていた。接着因子の有無、バイオフィルム産生能に関しては、呼吸器由来のNTHi株と比較し特徴は認められなかったが、有意差はなかったものの、侵襲性分離株の方がバイオフィルム産生能が高い傾向を認めた。また、莢膜株が保有する特異的な塩基配列であるIS1016を10.7%の株が保有しており、全ゲノム解析でも確認できた。MLST解析においては28株中26株が異なるST型を示した。 非b型莢膜株に関しては、国内で分離されるe型株にfucK欠損株多いことを明らかにした。PFGE解析においても類似のパターンを示すものが多く、国内でfuck欠損Hie株の伝播が示唆された。 質量分析計(MALDI TOF-MS)を利用したインフルエンザ菌血清型別解析に関してデータベースを作成し検討したところ、国内で分離される莢膜型(Hib、Hie、Hif)と無莢膜株の迅速な鑑別が可能であった。 Hibワクチン普及後、日本における侵襲性インフルエンザ菌感染症の原因菌の主体は、ワクチンで予防できないNTHi株・非b型莢膜株に変化しており、今後もその病原性解析を進めていく必要がある。
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