2014 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮細胞におけるインフルエンザ重症化宿主因子の検討
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26461585
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 信子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40379798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 ひかる 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20273972)
八代 将登 岡山大学, 大学病院, 助教 (80585943)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザ感染に血管内皮細胞に特異的に生じる反応を明らかにすることが、本研究の目的である。平成26年度は、ヒト正常細胞(気道上皮細胞・ヒト正常血管内皮細胞(HUVEC)の共培養系とPCRアレイ(Human Endothelial Cell Biology Panel; Qiagen)を用いて、研究を行った。 共培養:気道上皮細胞をインサート、血管内皮細胞をウェルで共培養し、コンフルエントになった状態で、気道上皮にInfluenza A/H1N1(A/NC)株をMOI=3で感染させる感染後24時間後に血管内皮細胞からtotal RNAを抽出し、Human Endothelial Cell Biology Panelを用いて血管内皮細胞特異的因子を検討した。またTNF-alpha(50ng/ul)で添加した場合と比較した。 インフルエンザ感染時に特異的に発現が上昇していた遺伝子は、Angiotensin関連遺伝子(Angiotensin I converting enzyme、Angiotensin II receptor, type 1、Angiopoietin 1)や、その他Arachidonate 5-lipoxygenase、Calcitonin-related polypeptide alpha、Fas ligand、Nitric oxide synthase 3が認められた。Angiotensinは近年、鳥インフルエンザで病態に関与していることが指摘されており、この実験系が適切であることが確認された。またTNF-alpha添加時には、Endothelin1、 Endothelin2、Endothelin receptor type A、Chemokine (C-X3-C motif) ligand 1などの上昇が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系が適切かどうかを検討することに時間を要し、目的遺伝子の強制発現系を構築するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Angiotensinまたは他の遺伝子について強制発現した系を用いて、血管透過性の亢進・BBB in vitro modelを作成する。 ・BBB in vitro modelの前段階として、作成した血管内皮細胞+サイトカイン添加(TNF-α、IL-1β、LPS)で、血管内皮細胞のタイトジャンクション機能変化を確認する。 ・ヒト正常アストロサイトとペリサイト(脳血管周囲細胞)をそれぞれ培養した後、血管内皮細胞を共培養する(BBB in vitro modelの作成)。透過性確認した遺伝子について、発現を変えた血管内皮細胞と正常な血管内皮細胞で比較する。
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Causes of Carryover |
実験計画を詳細に検討していたために計画に遅れが生じ、そのため必要な試薬購入が次年度に持ち越されることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヒト正常細胞培養・遺伝子発現試薬の購入に使用予定である。
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