2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of host factors for severe influenza virus infection
Project/Area Number |
26461585
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 信子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40379798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 ひかる 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20273972)
八代 将登 岡山大学, 大学病院, 助教 (80585943)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / VNN1 |
Outline of Annual Research Achievements |
気道上皮におけるインフルエンザウイルス複製に関与する遺伝子としてVNN1を新たに同定した。Vanin-1(Vascular non-inflammatory molecule 1)は、上皮細胞膜に発現しているPantetheine加水分解酵素であり、血中PantetheineをVitamine B5とCysteamineに分解し細胞内にこれらをもたらす作用がある。これまで入手不能であったPantetheineが市販され、Pantetheine-Vanin-1-Cysteamine系が、A549細胞におけるインフルエンザウイルスH1N1亜型(A/NC)増殖を抑制することについて、確認することができた。 【方法】 Pantetheine(0.2mM・1mM)が及ぼす影響を、A/NCをA549細胞に感染(MOI 0.1、trypsin 1.0μg/ml)させたときの (1)細胞内VNN1mRNA量(定量的RT-PCR)、(2)細胞上清のウイルス感染価(48hr p.i.)について検討した。 【結果】(1)A/NC感染時、Pantetheine添加でVNN1mRNAは増加した(0.2mM群1.5倍・1mM群2.2倍(48hr p.i.p<0.05))。(2)細胞上清のウイルス感染価は、A/NC感染24時間前から感染48時間後までPantetheineを添加した時に最も減少した(0.2mM 群29%・1mM群50% p<0.05)。(3)PantetheineとCysteamineのいずれもウイルス不活化作用はなかった。 【考察】Pantetheine-Vanin-1-Cysteamine系が、気道上皮のインフルエンザウイルス増殖抑制に関与している可能性が示された。
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