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2015 Fiscal Year Research-status Report

新生児の腸内フローラの形成が成長発達に与える影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26461586
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

田内 久道  愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (30314959)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石井 榮一  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20176126)
江口 真理子  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420781)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords腸内細菌叢 / 新生児 / NICU
Outline of Annual Research Achievements

新生児の腸内細菌叢の確立に関するデータは、主に2000年以前に便の培養法によって得られたものである。しかし、便の嫌気性培養を行うと多種多様なコロニーが得られ、それを同定し定量するためには高度なテクニックと多くの手間がかかるため、培養法を用いた腸内細菌の同定は再現性に乏しい。また、培養法ではデリケートな嫌気性菌は本来の数より検出数が低くなる傾向がある。この培養法による問題点を克服するため、新生児の便からDNAを抽出し定量的PCR、16S rDNAパイロシークエンス解析することにより正確な腸内細菌叢の確立の過程を明らかにすることを可能にした。
平成27年度に、我々はこの手法を用い、正常に出生した51例の新生児を対象として出生から1ヶ月までの腸内細菌叢の変化と、それに影響を与える因子について明らかにした。
平成28年度は、NICUで治療されている新生児を対象に、出生時からの腸内細菌叢の変化について解析を行った。これまで、NICUで保育されている新生児の腸内フローラ形成が通常分娩児と比べてどの程度異なっているか、どのように異なっているかに関しては全く不明であった。これを解析することにより、NICUという新生児への人の手による直接の接触が著しく制限された環境による腸内細菌叢の特徴を以下のとおり明らかにした。
1)NICUで保育されている新生児は、腸内細菌の獲得が正常新生児とは異なっている。
2)正常新生児が腸内細菌科からビフィズス菌と変化するのに対し、NICU児ではブドウ球菌からビフィズス菌へ置き換わっていく。3)生後5日目のNICU児では正常新生児と比べ、便中の酢酸濃度が低くPHが高い。この現象は感染防御上不利に働く。4)正常新生児の便からは黄色ブドウ球菌は検出されなかったが、NICU児の10例中2例から黄色ブドウ球菌が検出された。5)ビフィズス菌の早期投与によりNICU児の腸内フローラを正常化できる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画に従い研究は順調に進行している。観察患者の成長発達状況の評価を行っていくが、転居や来院不能により対象者の経過観察が行えない症例があり、今後の研究計画の変更を考慮しなければならない可能性がある。

Strategy for Future Research Activity

新生児期の腸内細菌叢と、その後の成長や発達について評価を行っていく。観察患者の成長発達状況の評価を行っていくが、転居や来院不能により対象者の経過観察が行えない症例があり、今後の研究計画の変更を考慮しなければならない可能性がある。現在までの研究により、NICUで保育されている新生児に対してビフィズス菌乾燥粉末製剤を投与し、早くビフィズス菌優位の正常腸内細菌叢を獲得させることは、新生児の腸管の免疫獲得に優位に働くものと考えられる。可能せあればビフィズス菌乾燥粉末製剤の投与試験を計画したい。

Causes of Carryover

研究機材の再利用や、安価な資材の購入などにより予定より安い価格で研究をすすめることができた。研究は順調に進行しているため問題は生じていない。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究は順調に進んでいるため今後検体数を増やして解析を行う予定であり、物品購入に充てる費用が増額となる可能性がある。また、今年度までの研究結果について論文を作成中であり、外部研究者との意見交換のため、学会出張が必要となる。次年度使用額はこれらの研究費に当てる予定である。

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Published: 2017-01-06  

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