2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461591
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20285266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
桑原 康通 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30590327)
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40453104)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / スーパーハイリスク / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
遠隔転移再発をきたす、神経芽腫はスーパーハイリスク群とされ、その予後は極めて不良である。スーパーハイリスク神経芽腫の初診時からの選別と治療法の解明には、転移再発の分子機序の解明が重要であると考える。また一方で、神経芽腫の予後不良因子として、部分的な染色体の増幅・欠失の存在が注目されている。再発時のゲノムの変化については、2つの仮説が考えられる。1)同一腫瘍内でのclonal evolutionによるheterogeneityにより、悪性度の異なる腫瘍細胞集団が初発時より既に存在し、治療経過の中でselectionをうけ、治療抵抗性を持つcloneから再発に至る可能性。また、2)初発時に見られるゲノム異常に加え、さらなるゲノム異常(SCA)が加わり、悪性度を獲得している可能性。 我々は、同一患者から得た初発腫瘍と転移再発腫瘍検体を用いて、網羅的なゲノム解析を行うことで、遠隔転移再発をきたす神経芽腫においてどういったゲノムの異常が生じているかを明らかとする。さらにはその原因となる分子機構の解明を試み、神経芽腫の悪性度獲得のメカニズム解明、さらにはスーパーハイリスク神経芽腫を選別するバイオマーカーの探索に寄与することを目的とする。 具体的内容としては、まずは再発腫瘍と初診時腫瘍ににおけるゲノム異常の解析比較を行う。その後神経芽腫における再発時に特異的に発現する遺伝子群を、細胞株を用いて確認する。さらに特異的に発現する遺伝子群CDKN2AとRsf-1の関連性を細胞株において解明し、各遺伝子強制発現株を作成し機能解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究室所有のスーパーハイリスク群神経芽腫腫瘍検体の初発腫瘍組織と転移再発腫瘍組織より、網羅的なゲノム解析を行った。CDKN2Aの欠失を転移再発組織において認め、これは初発時には存在しないものであった。CDKN2A欠失の卵巣癌細胞においてRsf-1高発現が染色体異常と不安定性をもたらすとの既知の報告もあり、神経芽腫におけるCDKN2A欠失とRsf-1発現に関連を検証した。当研究室所有の神経芽腫細胞株19種を用いRNAを抽出、リアルタイムPCR法にて解析したところ、CDKN2A発現とRsf-1の発現に明確な関連性は認めなかった。ただしNMYC増幅を有する神経芽腫細胞株においてはRsf-1の発現が高い傾向にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
Rsf-1に関して、高発現の神経芽腫細胞株を用い、SiRNA法にてノックダウンしwild type NB細胞株との比較で細胞形態・分化能について検討する。また、レトロウイルスを用いたRsf-1導入細胞株を確立し、染色体構造異常の増加の有無を検証する。 CDKN2Aに関しては強制発現株を確立し、同じく細胞形態・分化能について検討する。
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Research Products
(7 results)