2015 Fiscal Year Research-status Report
脂肪由来間葉系幹細胞を用いた骨髄再生の研究・人工骨髄の作成をめざして
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26461595
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
植田 高弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20322505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右田 真 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50256963)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脂肪由来間葉系幹細胞 / 造血幹細胞 / 人工骨髄 / 再生医療 / MSC |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪由来間葉系幹細胞はさまざまな組織系統に分化が可能であり、①皮下組織から比較的容易に大量に採取できる。②採取細胞に幹細胞の割合が高く③骨髄由来間葉系幹細胞より増殖能力が高く、再生因子を多く分泌することがわかってきている。また近年ヒトでは造血支持作用の他に,MSC には種々の液性因子を放出して,樹状細胞,単球,NK 細胞,T 細胞,好中球などに対し抑制的に働く作用があることや、さらに炎症部位や組織傷害部位に集積しやすい性質もある。以上のことからMSCは造血幹細胞移植における生着促進やGVHD 制御に有用だと期待されている。本研究は脂肪由来間葉系幹細胞と骨由来であるハイドロアパタイト(HA)を共培養することにより人工的に造血微小環境を構築し、造血幹細胞の維持・増殖・分化を再現できる人工骨髄を作成し、造血幹細胞と脂肪由骨髄のニッチの制御機構のさらなる解析を行う。間葉系幹細胞はHLAを発現しているものの共刺激分子を発現していないので、アロ反応性T 細胞を活性化しないため汎用性の高ソースでありる。最終的には、骨髄不全患者への臨床応用や対外自己造血システムの構築から供血者不足の解消をも目指す研究である。 現在までにマウス脂肪由来間葉系幹細胞を用いて人工骨(HA)中に長期造血細胞の維持が可能な人工骨髄の作成に成功した。さらにはヒト脂肪由来間葉系幹細胞を用いた人工骨髄をHA内に作成し長期の未分化なヒト造血細胞の維持の有無を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの系では順調に経過しており、その系を応用してヒトの脂肪由来間葉系幹細胞を用いて人工骨髄作成の実験を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
予定どおりマウス脂肪由来間葉系幹細胞の研究では、マウスでのHA内の人工骨髄および造血細胞のhoming, lodging, mobilizationの解析は進行している。さらにヒト脂肪由来造血幹細胞を用いて免疫不全マウスであるNOGマウスを用いて皮下にニッチを持つモデルマウス作製をする。 1)現在市販されているヒト脂肪細胞由来造血幹細胞を使用する。 2)マウス脂肪細胞由来実験系のときと同様な手法で骨芽細胞に誘導し、HAと共培養を行う。 3)2)のHAをNOGマウスに皮下移植し、人工骨髄を作製し組織学的・遺伝学的解析を行う(右田准教授担当)。 4) 本研究に用いる臍帯血細胞は両親に研究の主旨と目的を説明のうえ同意を得て採取する。正期産の臍帯血よりMACS Sortingをもちいて、CD34陽性細胞を分離する(純度 95%以上)。臍帯血CD34陽性細胞をNOGマウスに移植し2次移植まで行い、マウス脂肪由来間葉系細胞のときと同様に皮下ニッチの造血維持能の評価をおこなう。
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Causes of Carryover |
今まで研究室にある試薬や消耗品、研究器具を使用することにより出費を抑制できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これから研究の消耗品やマウスの購入/抗体の購入などに使用する。
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Research Products
(1 results)