2015 Fiscal Year Research-status Report
炎症機序を標的とした肺動脈性肺高血圧の新規治療法の開発
Project/Area Number |
26461606
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
澤田 博文 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30362354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一男 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20181828)
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動脈性肺高血圧の責任遺伝子(BMPR2)が同定されたが、BMPR2遺伝子変異の肺動脈性肺高血圧の病変形成における役割は明らかではない。また、炎症機序は、肺動脈性肺高血圧の病態において臨床的にも実験的にも関与が示されているが、如何に病変を形成するかは明らかではない。培養肺動脈内皮細胞を用いて、siRNAによりBMPR2を減少させた場合、TNF-αなどの炎症刺激や低酸素によるストレス応答が増強され、炎症性サイトカインが異常制御されることを示した。異常制御されたサイトカインが、ヒト肺動脈性肺高血圧でも上昇し、血管病変への炎症細胞浸潤を来しうることを確認した。(Sawada et al, J Exp Med 2014) 従って、肺動脈性肺高血圧の主要な遺伝子変異と炎症機序との関連が示された。さらに、GM-CSFを含む同機序の抑制は、マウスの低酸素誘発肺高血圧の抑制につながることが示されたが、ヒト肺動脈性肺高血圧の治療標的となるか否かは、明らかではなかった。そこで、最近開発された、ヒト肺動脈性肺高血圧に極めて類似する病変を持つSugen/ Hypoxia 肺高血圧ラットモデルを用い、炎症と肺血管病変の関連を調べた。同モデルでは、免疫染色と、肺組織でのPCRにより、IL6、MCP1、GM-CSFの上昇が径時的に認められ、、肺血管病変の形成に時間的空間的な関連が認められた。また、炎症機序の病変形成における役割をさらに検討するため、病変形成細胞の単離培養を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、GM-CSFの上昇が、顕著でなく、研究の方向の再考を要し、培養細胞系の実験系に確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初のGM-CSF抑制実験では、顕著な効果は、得られないと考えられたことから、炎症機序内の、別の標的も含めて検討するとともに、同モデルの肺血管培養細胞を用い、炎症機序の亢進のメカニズムと増殖や形質転換といった細胞機能への影響を、検討することも視野に入れて、研究を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定の結果に基づいた研究計画の変更が必要な状態となり、再検討のための解析、情報収集をすすめたため、今年度中の、当初の予定の、実験動物購入、研究試薬の購入の額が、予定を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の方針を変更し、細胞培養系の確立を新たに計画し、本年度分とした額をその、試薬等の購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Loss of PPARγ in endothelial cells leads to impaired angiogenesis.2016
Author(s)
Vattulainen-Collanus S, Akinrinade O, Li M, Koskenvuo M, Li CG, Rao SP, de Jesus Perez V, Yuan K, Sawada H, Koskenvuo JW, Alvira C, Rabinovitch M, Alastalo TP.
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Journal Title
J Cell Sci.
Volume: 129
Pages: 693-705
DOI
Peer Reviewed
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