2015 Fiscal Year Research-status Report
小児の肺動脈性肺高血圧症における新規原因遺伝子の探索と同定
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26461623
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
稲井 慶 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80318063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 敏雄 東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (90120013)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺動脈性肺高血圧症 / BMPR2 / 遺伝子変異 / HIVEP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年につづき、さらに新たに採取した肺動脈性肺高血圧患者16名について、BMPR2、ALK1、SMAD遺伝子の異常の有無を直接シークエンス法及びMLPA法で解析した。今回もSMAD8については新たな変異は発見できなかった。また、smad1,2,3,4,5についても変異はみられなかった。我々が検出したSMAD8のナンセンス変異は、その機能解析によりTGF-β/BMPシグナル伝達において機能低下型の異常を引き起こすことを明らかになっているが、その頻度はBMPR2やALK1と比較すると、その他のSMAD系を含めてもあまり高くないと考えられた。そこで、さらに新たな遺伝子変異の検索として、BMPシグナル下流のHIVEP1およびHIVEP2について検索を開始した。 当科に遺伝子が保存されている肺動脈性肺高血圧患者(81例)について、HIVEP1とHIVEP2についてそれぞれダイレクトシークエンス法を施行して、変異の有無を検索した。その結果、HIVEP2において2症例について変異を確認することが可能であった。 認められた変異はいずれもエクソン5に存在するミスセンス変異であり、詳細は以下のとおりである。 exon 5-12 C(4298)T; A(1433)V exon 5-14 A(4935)R; T(1645)A 今後はこの変異の蛋白レベルでの機能解析を行って、病因遺伝子としての意義を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、概ね予想される進行状況であり、来年度で初期の目的には到達可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
目的の遺伝子変異が同定されたので、病因遺伝子としての意義を確立するために、蛋白質レベルでの機能解析をWestern blot法などを用いて行う予定である。
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