2014 Fiscal Year Research-status Report
Subplate neuronの損傷が胎生期の脳皮質形成に与える影響の解析
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26461628
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 助手 (30400360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 昌利 東北大学, 大学病院, 助教 (00451584)
北西 龍太 東北大学, 大学病院, 助手 (20436116)
松田 直 東北大学, 大学病院, 准教授 (50361100)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳皮質 / 脳白質 / subplate neuron / 胎児 / ヒツジ / 脳白質損傷 / 子宮内炎症 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,胎生期に大脳の皮質白質境界に存在して皮質形成に重要な役割を果たしているsubplate neuronに注目し,ヒツジ胎仔の慢性実験系を用いて,胎生期の炎症もしくは虚血がsubplate neuronの発達過程に与える影響を解析する.同時に,その結果として脳白質損傷のような組織損傷だけではなく,皮質容量減少や脳回形成異常など「脳発達の変容」に近い病変が誘導されるかどうかを組織病理像とMRI画像に基づいて検討する. 平成26年度には妊娠91-97日のヒツジ胎仔9頭を用いて慢性実験系を作成し,炎症負荷群 (n=4) とsham群 (n=5) の脳MRI撮影と組織解析を行った.その結果,炎症群の3例に肉眼的に明らかな巣状脳白質損傷を誘導することができた.巣状脳白質損傷はいずれもMRIにてT1強調画像でhigh intensity,T2強調画像でlow intensityに描出され,病巣周囲はびまん性脳白質損傷に特徴的なT2強調画像でhigh intensityを示した. 1.5 teslaのMRIではsubplate neuron層を同定することは難しく,来シーズンは3.0 tesula以上のMRI装置で撮影できるように医学部との交渉を開始した.現在は採取できたMRI画像を用いて皮質白質容量測定と脳表面積測定を行っている.脳組織切片の免疫染色によるsubplate neuron損傷の解析は平成27年度の検体と合わせて来春から実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成育限界期のヒツジ胎仔を用いて子宮内炎症を負荷し,その後の脳組織損傷とそのMRI解析を実施することができた.これを踏まえ,平成27年度は循環負荷によるsubplate neuronへの影響を解析できる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には循環負荷によるsubplate neuronへの影響を解析し,平成28年度にはより未熟性の強い妊娠80日台のヒツジ胎仔を用いた解析を進める.
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