2016 Fiscal Year Annual Research Report
Potential role of subplate neuronal damage on the fetal cortical development
Project/Area Number |
26461628
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 助手 (30400360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 昌利 東北大学, 大学病院, 講師 (00451584)
北西 龍太 東北大学, 大学病院, 助手 (20436116)
松田 直 東北大学, 大学病院, 准教授 (50361100)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | subplate neuron / 大脳皮質 / ヒツジ / 子宮内炎症 / MRI / 免疫染色 / 胎児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,胎児期に大脳の皮質白質境界に存在して皮質形成に重要な役割を果たしているsubplate neuronに注目し,ヒツジ胎仔の慢性実験系を用いて,胎児期の炎症もしくは虚血がsubplate neuronの発達過程に与える影響を解析する.同時に,これら胎児期の炎症や虚血の結果として,これまで注目されてきた脳白質損傷のような組織損傷による脳障害だけではなく,大脳皮質の容量減少や脳回形成異常など正常な脳の発達とは異なった「脳発達の変容」に近い病変が誘導されるか,組織病理像とMRI画像に基づいて検討する. 平成28年度には妊娠95-100日のヒツジ胎仔6頭を用いて慢性実験系を作成し,妊娠105-110日に炎症負荷群(n=5)とsham群(n=1)の脳MRI撮影と組織解析を行った.平成27年度から用いている7.0 teslaのMRI装置によって解像度とコントラストのよい画像が得られており,subplate neuron層の同定が可能となっている.現在,撮影された27年度から28年度のMRI画像を用いて大脳皮質及び白質の容量測定と脳表面積測定,並びにsubplate neuron層の容量測定を行っている.病理組織像では大脳皮質深層に層状のアポトーシス・虚血様変化を認めており,subplate neuron層の損傷が示唆されている.また,subplate neuronの特異抗体であるNurr-1を用いた免疫染色によって,組織学的にもsubplate neuronを同定できた.今後は,subplate neuron層における神経細胞全般を神経細胞の特異抗体Neu-Nを用いて同定し,subplate neuron層における神経細胞全般とsubplate neuronの密度解析を行ってsubplate neuronの損傷を評価する.以上の解析を踏まえ,subplate neuronの損傷の程度を,MRI画像解析によって得られた大脳皮質容量,脳回形成の程度と比較することによって,胎児期の炎症及び虚血がsubplate neuron損傷を誘導し,将来の脳回形成や皮質容量に影響を与えているか検討する.
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