2015 Fiscal Year Research-status Report
神経回路形成期における脂肪酸のホメオスタシス―精神疾患脆弱性因子としての探索―
Project/Area Number |
26461635
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 辰吾 香川大学, 医学部, 助教 (50451430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
太田 健一 香川大学, 医学部, 助教 (50403720)
割田 克彦 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40452669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | BDNF / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児期の脳では、脂肪酸量の低下が神経回路の正常な構築を阻害し、精神疾患の発病脆弱性に繋がると考えられている。しかしながら、新生児期の脳に脂肪酸をはじめとする脂質が供給されるメカニズムはほとんど不明であり、精神疾患の発病研究の視点からも、その解明を早急に行う必要がある。 これまでの研究より、脳由来神経栄養因子の欠損が脳の脂肪酸組成に影響を及ぼし得る可能性が示唆されているため、本年度は、脳由来神経栄養因子が新生児期におけるラットの肝臓の脂質ホメオスタシスにどのような影響を担いうるのかを検討した。具体的には、脳由来神経栄養因子を欠損するノックアウトマウスを用い、その新生児期における肝臓より脂質を溶媒抽出し、けん化後にガスクロマトグラフィー質量分析計による分析を行った。その結果、脂肪酸をはじめとする複数の脂質が脳由来神経栄養因子の欠損により変動することが確かめられた。また、胎児期におけるストレスを評価するための新たな実験系の構築なども行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の研究を計画していたが、本研究において最も中心となる研究の成果をいち早く見出すことができた。その一方、脳由来神経栄養因子を発現させるためのアデノ随伴ウイルスの作成実験などが少し遅れているため、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究によって得られた知見である「脳由来神経栄養因子欠損マウスの新生児期における肝臓の脂質変動」のメカニズムの探索を行う。また、胎児期におけるストレスを評価するための新たな実験系の構築を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度において予定していた一部の研究を平成28年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度中に達成できなかったウイルス作成の研究に用いる。
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