2015 Fiscal Year Research-status Report
未熟児特有のアミノ酸代謝に基づいた動脈管開存症を軽減しうるアミノ酸輸液組成の検討
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26461639
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 秀次郎 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90381516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70404994)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動脈管 / グルタミン酸 / 早産児 |
Outline of Annual Research Achievements |
RT-PCRを用いた先行研究で、胎齢21のラット動脈管組織では4種のAMPA型レセプターのサブユニットのうちGluR1およびGluR4が大動脈より有意に多く発現していることが明らかとなっていた。また、胎齢21のラットにグルタミン酸を投与することにより動脈管収縮作用が生じることも判明していた。 昨年度の研究においてラット動脈管を含む組織をGluR1およびGluR4の抗体を用いて免疫染色を行い、レセプターの局在を明らかにした。また、Tyrosine hydroxylaseおよびGluR1抗体を用いた蛍光染色によりTyrosine hydroxylaseおよびGluR1抗体の局在が一致することが明らかとなった。 ELISAを用いた定量をおこなった結果、動脈管周囲の組織には大動脈周囲の組織よりノルアドレナリンが多く存在することも判明した。 また、グルタミン酸による動脈管収縮作用はα1レセプターブロッカーであるプラゾシン投与により阻害された。Tyrosine hydroxylaseはノルアドレナリン合成に必須の酵素であり、Tyrosine hydroxylaseとGluR1抗体の局在の一致は、より未熟な胎齢19のラットでも確認された。 これらを勘案すると、グルタミン酸が神経終末に存在するグルタミン酸レセプターGluR1に作用してノルアドレナリンが放出されること。ノルアドレナリンの放出により動脈管収縮作用が生じること、また、より未熟なラットでも同様の作用が生じることが推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットを用いた基礎研究ではグルタミン酸による動脈管収縮作用の機序が解明され、順調と思われる。ヒト早産児血清を用いたグルタミン酸血中濃度と動脈管開存症発症の相関の研究は症例数が少ないこともあり充分な結果が出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットを用いて、インドメタシンなどの動脈管収縮作用を要する既存の薬品とグルタミン酸を同時に投与することにより動脈管収縮作用に相乗効果がみられるかを検討したい。
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Causes of Carryover |
投稿論文の推敲を民間業者に依頼する予定であったが、当該年度の使用額を超過する見通しとなったため次年度に行う方針とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物および消耗物品の購入に直接経費のうち100万円程度。残りの直接経費280484円で投稿論文の推敲を民間業者に依頼する予定である。
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