2014 Fiscal Year Research-status Report
分泌蛋白質MFG-E8による機能制御の解明と治療への応用
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26461654
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
茂木 精一郎 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20420185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 悪性黒色腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
① MFG-E8と成長因子(bFGFやPDGF)の併用による創傷治癒の促進効果を明らかにする。 糖尿病マウス(db/dbマウス)の背部に創傷(皮膚の表皮、真皮の全層欠損)を作製し、①その創傷部位にコントロールとしてPBSのみを外用するもの、②塩基性線維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast Growth Factor: bFGF)だけを外用するもの、③MFG-E8のみを外用するもの、④MFG-E8とbFGFの両方を外用するものの4グループに分けて創傷治癒の程度を測定し比較した、その結果、MFG-E8のみの外用によって創傷治癒の促進がみられた。また、bFGFとMFG-E8の併用でも治癒促進効果が得られた。また、MFG-E8の外用によって創傷部位の血管新生が見られた。これらの結果より、ヒトの糖尿病における難治性の潰瘍においても、MFG-E8が治療薬として応用できる可能性が示唆された。
② 間葉系幹細胞の腫瘍血管新生能におけるMFG-E8の役割、その機序を明らかにする。 MFG-E8 WT,もしくはKOマウス由来間葉系幹細胞を悪性黒色腫細胞と混ぜて皮下注射し、腫瘍の成長を比較検討した。その結果、MFG-E8欠損MSCと悪性黒色腫細胞を混ぜた腫瘍は、MFG-E8野生型MSCと悪性黒色腫細胞を混ぜた腫瘍に比べて、腫瘍の成長が抑制されていた。現在その機序について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画はほぼ達成されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果を元にして、MFG-E8による創傷治癒、間葉系幹細胞の腫瘍血管新生能、線維化の制御や機序について更なる詳細な検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
予定していた研究を行うことを次年度に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度に予定していた研究を行い、発展させた研究を行うことを目的に使用する。
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