2014 Fiscal Year Research-status Report
褥瘡におけるリンパ管機能障害メカニズムの解析及び褥瘡の早期診断法の確立
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26461655
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
糟谷 啓 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (60599421)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 褥瘡 / インドシアニングリーン |
Outline of Annual Research Achievements |
『褥瘡におけるリンパ管機能障害メカニズムの解析及び褥瘡の早期診断法の確立』が研究目的である。 平成26年度には、ICG の注射と蛍光生体イメージングによる観察と肉眼的観察の比較検討を行った。 8 週齢の野生型マウス(Balb/c、 雌)の背部を剃毛し、背部皮膚を円筒形の磁石(径12mm、厚さ5mm、重量2.4g)2 つを用いて皮膚を挟み褥瘡モデルを作成した。0、4、8、12、16時間虚血した後にマウス褥創部に25μl のICG (2.5mg/ml)を皮内注射し、その直後に磁石を外すことにより再潅流した(各時間n=5)。ICG が発する蛍光強度の推移を蛍光生体イメージング(Maestro 2)により観察した。これにより蛍光強度と虚血時間の関連性を検討したところ、虚血時間が長いほど蛍光強度が大きくなることが分かった。 さらに蛍光強度の測定と同時に再潅流による褥創部の肉眼的な変化(潰瘍、びらん、紫斑)、生じた変化の大きさや面積も記録した。これにより蛍光強度、虚血時間と肉眼的な変化の関連性を統合して検討した。虚血時間が長いと、潰瘍や紫斑を生じやすく、蛍光強度も大きくなることが分かった。これにより、蛍光強度を測定することで、褥瘡の重症度を定量化できることが分かった。これを、臨床的に応用すれば、褥瘡の重症度の早期診断に役立つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26 年度から27 年度前半の計画のとおり、マウス皮膚虚血再潅流障害モデルを使用し、障害部にICG を注射し、IVIS により経時的に蛍光を測定することにより、リンパ管の機能障害を定量した。さらに、紫斑や潰瘍化などの肉眼的な所見も経時的に記録し、蛍光強度との関連性を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
下記の通り、当初の計画に沿って進める。
<平成27 年度後半>虚血再潅流モデルでの酸化ストレスの存在を確認する。血清や虚血部皮膚組織のROS を定量する。また、酸化ストレスマーカーを免疫組織学的に検討する。
<平成28 年度>培養リンパ管内皮細胞と血管内皮細胞により酸化ストレスや低酸素に対する感受性を確認する。酸化ストレスはH2O2 や低酸素再酸素化によるROS の発生を利用する。また、抗酸化酵素であるSOD活性も測定する。さらに、培養リンパ管内皮細胞の血管内皮細胞により、炎症や再生能力に関する脆弱性の検討を行う。
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Research Products
(14 results)