2015 Fiscal Year Research-status Report
皮膚筋炎におけるDNAミスマッチ修復酵素に対する自己免疫応答の解明
Project/Area Number |
26461656
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室 慶直 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80270990)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 皮膚筋炎 / 多発性筋炎 / 自己抗体 / DNAミスマッチ修復酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA修復機構は細菌からヒトまで保存されている重要な生命機構である。DNA mismatch repair (MMR)はミスマッチ認識、エラー鎖切断、断片鎖除去、DNA修復合成と進行するが、ヒトではミスマッチ認識に必要な7種の酵素(MSH2, MSH3, MSH6, PMS1, PMS2, MLH1, MLH3)が存在する。我々は2014年12月に、世界で初めて各種膠原病患者において、皮膚筋炎(DM)や多発性筋炎(PM)といった筋炎群の患者に、これら酵素群に対する自己抗体が見出され、その対応抗原はMLH1、PMS1、 MSH2、PMS2に限定されていることを報告した。その後の研究で、引き続き新たな筋炎患者におけるこれらの抗体の有無を調べたところ、他の筋炎マーカー自己抗体併存例が3例(抗MJ抗体が2例、抗Mi-2抗体が1例)、併存抗体が見つからなかった例が3例(そのうち小児の1例は論文投稿中)存在した。また既報告中、4種の酵素に対する抗体が全て陽性(この反応パターンを“フルスペクトラム”と新たに定義した)の1例には、その後の解析で抗Ku抗体が併存することも判明した。 この度、抗体のフルスペクトラム症例が抗Ku抗体陽性であり、Ku抗原もDNA修復に関与するタンパクであることから、その併存性を確認するために、これまで当科で経験した抗Ku抗体陽性症例7例についてMMR酵素群に対する自己抗体に対する抗体の有無を調べたが、全例が陰性であった。これまでの結果から、MMR酵素群に対する自己抗体は他の自己抗体と併存する場合、一定の傾向は無い、と結論づけた。 次に新たなフルスペクトラム1症例を含む併存抗体の無い症例における抗核抗体のパターンを検討したところ、陰性の症例から核内speckled陽性の症例、細胞質抗体陽性の症例など一定の傾向を認めないことが判明し、臨床検査における抗核抗体検査がMMR酵素群に対する自己抗体のスクリーニングに対して適さないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常の抗核抗体検査に用いるHEp-2細胞では、核内に主に存在すると考えられているMMR酵素の大部分がそれらの局在を示さないことが市販ポリクローナル抗体の使用でも判明した。今後、ヒト正常培養細胞を用いての同様な実験が必要となることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
自己抗体の標的となっているものと、そうでないものの差に着目しながらMMR酵素の細胞内での発現様式での変化を生じさせる刺激応答を探索する。培養細胞もしくは、入手可能であれば患者生検材料を用いてのin vivo実験への可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
各種MMR酵素の培養細胞における免疫染色実験の条件設定が、市販抗体の種類選別を含め、予想外に困難で、難航したことによる実験の遅延により、次年度未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体の新たな市販品購入や、合成ペプチドによる抗体作成も視野に入れ、できるだけ免疫染色実験を円滑に進めたい。
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Research Products
(36 results)
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[Journal Article] Diversity of humoral responses to the centromere proteins among HCV-related chronic liver disease, PBC and AIH patients.2015
Author(s)
Himoto T, Tanaka N, Saito A, Muro Y, Sugiura K, Tani J, Miyoshi H, Morishita A, Yoneyama H, Haba R, Masaki T.
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Journal Title
Clin Res Hepatol Gastroenterol
Volume: 39
Pages: 222-229
DOI
Peer Reviewed
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