2016 Fiscal Year Research-status Report
皮膚筋炎におけるDNAミスマッチ修復酵素に対する自己免疫応答の解明
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26461656
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室 慶直 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80270990)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 皮膚筋炎 / 多発性筋炎 / DNAミスマッチ修復酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA修復機構は細菌からヒトまで保存されている重要な生命機構である。DNA mismatch repair (MMR)はミスマッチ認識、エラー鎖切断、断片鎖除去、DNA修復合成と進行するが、ヒトではミスマッチ認識に必要な7種の酵素(MSH2, MSH3, MSH6, PMS1, PMS2, MLH1, MLH3)が存在する。我々は2014年12月に、世界で初めて各種膠原病患者において、皮膚筋炎や多発性筋炎といった筋炎群の患者に加え、全身性エリテマトーデス患者においても、これら酵素群に対する自己抗体が見出され、その対応抗原はMLH1、PMS1、MSH2、PMS2に限定されていることを報告した。その後の研究で、引き続き新たな筋炎患者におけるこれら酵素群に対する抗体の有無を調べたところ、他の筋炎マーカー自己抗体併存例が3例、併存抗体が見つからなかった例が3例(そのうち小児の1例は論文発表)存在した。しかし、これまでの結果から、MMR酵素群に対する自己抗体は他の自己抗体と併存する場合、特に併存しやすい抗体は無い、と結論づけた。 次に新たなフルスペクトラム1症例を含む併存抗体が認められない症例における抗核抗体のパターンを検討したところ、対応抗原の細胞内局在が一定の傾向を認めないことが判明し、臨床検査における抗核抗体検査がMMR酵素群に対する自己抗体のスクリーニングに対して適さないことが判明した。 通常の抗核抗体検査に用いるHEp-2細胞では、MMR酵素に対する自己抗体をスクリーニングすることは難しい事が判明した。今後、ヒト正常培養細胞などの他の培養細胞を用いての実験が必要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
紫外線刺激などの各種ストレス刺激下におけるDNA mismatch repair酵素群蛋白の細胞内発現様式を調べるために、各蛋白に対する抗体市販品と培養細胞を用いた免疫染色を行い、その成果を発表する予定だった。しかし、解析の結果、使用した細胞株と使用した市販抗体では予想した結果が得られなかったため、各種刺激下における発現変化を調べる実験に進めなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで使用してきた市販抗体とは性質の異なる抗体、ならびに培養細胞株を購入し、予定した各種実験を再度行う。自己抗体の標的となっている酵素蛋白と、そうでないものの差に着目しながらMMR酵素の細胞内での発現様式での変化を生じさせる刺激応答を探索する。
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Causes of Carryover |
平成28年度にDNA修復酵素群蛋白の細胞内発現様式を調べるために、各蛋白に対する抗体市販品と培養細胞を用いた免疫染色を行い、その成果を発表する予定だったが、解析の結果、使用した細胞株と使用した市販抗体では予想した結果が得られなかったため、各種刺激下における発現変化を調べる実験に進めず、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、他の市販抗体と培養細胞株を購入し、予定した各種実験を行い、その成果発表のために使用する。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] HMGCR antibody-associated myopathy as a paraneoplastic manifestation of esophageal carcinoma.2016
Author(s)
Tsujikawa K, Hara K, Muro Y, Nakanishi H, Niwa Y, Koike M, Noda S, Riku Y, Sahashi K, Atsuta N, Ito M, Shimoyama Y, Akiyama M, Katsuno M.
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Journal Title
Neurology
Volume: 87
Pages: 841-843
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Antisynthetase syndrome: Pulmonary computed tomography findings of adult patients with antibodies to aminoacyl-tRNA synthetases.2016
Author(s)
Waseda Y, Johkoh T, Egashira R, Sumikawa H, Saeki K, Watanabe S, Matsunuma R, Takato H, Ichikawa Y, Hamaguchi Y, Shiraki A, Muro Y, Yasui M, Prosch H, Herold C, Kasahara K.
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Journal Title
Eur J Radiol.
Volume: 85
Pages: 1421-1426
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 食道扁平上皮癌を合併した抗HMGCR抗体関連ミオパチーの治療経験2016
Author(s)
辻河 高陽, 原 一洋, 室 慶直, 中西 浩隆, 丹羽 由紀子, 小池 聖彦, 野田 成哉, 陸 雄一, 佐橋 健太郎, 熱田 直樹, 伊藤 瑞規, 下山 芳江, 秋山 真志, 勝野 雅央
Organizer
第34回日本神経治療学会総会
Place of Presentation
米子コンベンションセンター(鳥取県米子市)
Year and Date
2016-11-05
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