2014 Fiscal Year Research-status Report
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26461663
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
猪又 直子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20347313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 まみ 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (40707650)
相原 道子 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90231753)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Peach allergy / Peamaclein / Allergen / Food allergy / Anaphylaxis / Pollinosis / Cross-reactivity |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、モモアレルギーの実態調査を行うとともに、重症マーカーアレルゲンの検索を行い、マーカーアレルゲンの候補蛋白の精製に成功した。 当院モモアレルギー症例50例を集積し、モモ摂取時の臨床症状、既往歴(花粉症、アレルギー性鼻炎、喘息、他の食物アレルギーなど)などの臨床的特徴、及び、血清総IgE、ImmunoCAP法によるモモ特異的IgE抗体測定結果を調べることによって、全身症状を伴う重症モモアレルギーの特徴を明らかにした。 重症マーカーアレルゲンに関する解析では、まず、既知のモモアレルゲンコンポーネント3種についてIgE反応性を調べた。Pru p 1(Bet v 1関連タンパク質)、Pru p 3(脂質輸送蛋白質)、Pru p 4(プロフィリン)に対する反応性についてImmunoCAP法を用いて調べたところ、全身症状を伴う症例19例はrPru p 1、 rPru p 3、 rPru p 4には各々15.8%、 5.3%、 5.3%、口腔症状のみの症例31例では 各々87.1%, 6.5%, 38.7% の陽性率であった。統計学的解析では、rPru p 1とrPru p 4は、口腔症状のみの軽症と有意な相関がみられた (P<0.001, P<0.001).が、rPru p 3は重症度との相関はみられなかった。モモ抽出粗抗原液を解析した結果、Peamacleinを重症マーカーアレルゲンの有力候補として見出した。Peamacleinは、分子量が約9kDaのthe GASA Gibbrellin regulated cysteine rich protein familyに属すタンパク質であり、消化に安定なタンパク質である。モモ粗抽出抗原液からの精製を試み、クロマトグラフィーによる精製に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H26年度の目標は概ね達成できた。第1の目標である、モモアレルギーの実態調査を行うことができた。また第2の目標については、重症マーカーアレルゲンの検索を行い、マーカーアレルゲンの候補蛋白の選定だけではなく、その精製に着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、重症マーカーの候補アレルゲンの精製を完了したうえで、それに対する特異的IgE測定系(ELISA)を作製し、症例の血清との反応性を調査する。重症マーカーアレルゲンと臨床的特徴の中から特に相関が高い特徴を明らかにし、重症マーカーアレルゲンとしての詳細な臨床的プロファイルを解析する。
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Causes of Carryover |
試薬が見込みより安価に購入できたから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度以降の試薬購入に充当する予定である。
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Research Products
(11 results)