2014 Fiscal Year Research-status Report
紫外線の長期眼照射により誘導される光老化のメカニズムの解析
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26461667
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
平本 恵一 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助手 (90251793)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 紫外線 / 光老化 / 記憶・学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスに長期間の紫外線A波(UVA)を眼または皮膚に連続照射し皮膚の光老化および記憶・学習能力への影響の経時観察を行っている。UVA連続照射1ヶ月以降において、皮膚の光老化の発現が皮膚照射・眼照射共に顕著に認められた。皮膚の光老化は最初は皮膚にUVAを照射しているときに強く惹起したが、長期になれば眼照射においても強く惹起され、皮膚照射と変わらなくなった。また記憶・学習能力の低下は皮膚照射ではほとんど起こらず、眼照射では連続照射5ヶ月後に顕著に現れた。 現在、皮膚の光老化における脳の遺伝子の解析を網羅的に行っている。また、UVA長期眼照射における記憶・学習能力の低下においては、脳の海馬と視床下部の遺伝子を解析しており、β-アミロイド、β-セクレターゼ、γ-セクレターゼの発現の増加および、終末糖化産物の発現の増加も観察された。さらに、アセチルコリンの減少(コリンアセチルトランスフェラーゼ(アセチルコリン合成酵素)の活性の低下)も見られ、多くの点でアルツハイマー病の病変を示した。 最近、UVAも光老化の観点から問題になり防御も盛んに行われるようになってきている。また眼に暴露される紫外線を防御するサングラスなどがでているが、眼本体のダメージを防御することが目的になっている。本研究では無意識に眼から侵入してくるUVAが光老化や記憶・学習能力の低下をもたらすこと、そしてそのメカニズムの一端が垣間みられた。これらのことからUVAに対する眼の防御の重要性が提唱できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
紫外線眼照射による光老化の惹起および記憶・学習能力の低下の再現性が得られ、サンプル採取と遺伝子の解析を予定通り進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っているUVA眼照射によって誘導される脳内遺伝子の解析を引き続き行っていく。そして、UVAが侵入した時の脳内でのシグナル伝達の解析を進め光老化と記憶・学習能力の相互関係を調べていく。また、脳のシグナルが如何にして皮膚の光老化に結びつくのかを検討するため脳内に色々な阻害剤を投与することにより脳と皮膚の関係を検討する。 以上の検討より、UVAの脳内動態マップを完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度において学会旅費(国際学会)を助成金より使用しなかったために次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
網羅的遺伝子解析を行うため、抗体やそれに付随する消耗品の使用が予定より多くなります。また動物(マウス)の使用も増えることが考えられます。さらに次年度も国際学会に発表予定です。 以上のことから物品費として使用を計画しています。
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