2014 Fiscal Year Annual Research Report
血管肉腫における哺乳類ラパマイシン標的蛋白質経路とオートファジー機構の病態関与
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26461676
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼田 透効 東北大学, 大学病院, 助教 (30622980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 隼也 東北大学, 大学病院, 医員 (30712195)
山崎 研志 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40294798)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管肉腫 / オートファジー / mTOR / ATG |
Outline of Annual Research Achievements |
血管肉腫組織におけるmTOR経路とオートファジー機構関連分子の発現確認を免疫組織学的に検討した。mTOR経路関連分子では、血管肉腫において、mTORの発現増強を確認し、PI3K, AKT, TSC1, TSC2の発現が血管肉腫組織内に確認された。オートファジー経路関連分子では、ATG14とATG8 (LC3-I/LC3-III)の発現が増強している血管肉腫組織を確認した。発現は組織辺縁に強く、組織中央部においてはATG8 (LC3-I/LC3-III)の発現は乏しかった。これらの結果は、細胞増殖・分裂が多く起こっている腫瘍辺縁の領域においてオートファジー径路が働いている可能性を示唆した。 血管内皮細胞を用いたmTOR経路とオートファジー機構関連分子の強発現・抑制による細胞動向の検討を行った。オートファジー経路の抑制化合物を添加した後に細胞増殖をMTT法にて検討したところ、血管内皮細胞の細胞死の比率が高くなったことが確認された。すなわち、オートファジー径路は血管内皮細胞の増殖維持に正に働き、その抑制は細胞死を誘導することを示唆した。また、オートファジー経路の抑制化合物を添加した条件下では、mTOR経路関連分子とオートファジー機構関連分子の遺伝子発現が誘導されていた。以上のことから血管系細胞では、mTOR経路関連分子とオートファジー機構関連分子が、腫瘍組織・細胞の増殖に関連しており、mTOR経路関連分子とオートファジー機構関連分子のフィードバック機構の存在が想起された。
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Research Products
(2 results)