2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461677
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 晶子 東北大学, 大学病院, 助教 (30422132)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 由美子 東北大学, 大学病院, 臨床検査技師 (00375057)
相場 節也 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80159269)
木村 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (90375056)
藤村 卓 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50396496)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | M2マクロファージ / 制御性T細胞 / 乳房外パジェット病 / 皮膚悪性リンパ腫 / 水疱性類天疱瘡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は多彩な皮膚疾患におけるM2マクロファージの分布、機能を証明することである。本年度は、主に、皮膚悪性リンパ腫、乳房外パジェット病、水疱性類天疱瘡において、M2マクロファージの存在を明らかにした。皮膚悪性リンパ腫においては、疾患初期にはM0型のマクロファージが、中期以降に、M2マクロファージが主体であることが明らかになった。さらに、リンパ腫内に存在するマクロファージと同じ細胞マーカーをもつ細胞をin vitroでヒト末梢血から誘導し、リンパ腫の間質に豊富である各種免疫調整因子を加え、それらのマクロファージに与える影響を現在解析中である。また、乳房外パジェット病では、M2マクロファージが豊富であることと、これらのマクロファージが機能的蛋白であるRANKLを有しているおり、このRANKLが末梢血から誘導したマクロファージに加えることにより、負の免疫環境を形成する各種ケモカインを産生することを明らかにした。水疱性類天疱瘡では、尋常性天疱瘡に比べてM2マクロファージが多いこと、Th2サイトカインが豊富であることを明らかにした。これにより、水疱性類天疱瘡がTh2ケモカインにより、マクロファージを中心に免疫環境型性を行っている可能性を明らかにした。水疱性類天疱瘡のプロジェクトにおいて、結果を国際的に査読性のある雑誌、Dermatologyに掲載した。次年度以降、乳房外パジェット病および悪性リンパ腫のプロジェクトを完成し、国際誌に掲載する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、査読性のある国際誌に一報掲載した他、次年度以降にさらに発展性のあるデータを確保できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
おもに乳房外パジェット病において、機能的蛋白であるRANKLの腫瘍周囲のM2マクロファージへの影響を検討し、制御性T細胞を含めて、腫瘍局所における免疫寛容誘導のメカニズムを明らかにする。また、皮膚悪性リンパ腫においても腫瘍周囲の免疫環境で特徴的な蛋白を明らかにし、そのM2マクロファージへの影響を検証する。
|