2014 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫に対する新規ヒト型STAT3 特異的阻害薬による抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
26461682
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
柴垣 直孝 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (40262662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 治療 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のSTAT3 inihbitor である分子標的薬 (rR9-GRIM19) は、STAT1 activator として知られるIFN-type I (rIFN-beta), IFN-type II (rIFN-gamma)による In vitroでの STAT3持続活性型メラノーマ (B16)細胞に対する細胞増殖抑性能、細胞死誘導能を著名に増強させた。一方、STAT3を活性化していない NIH3T3 細胞株にはrR9-GRIM19 によるrIFNsとの増強効果は全く認められなかった。Iv vivo においてナイーブ mouse の腹部皮内にrIFN-beta /rIFN-gamma + rR9-GRIM19 を接種しても、炎症、潰瘍の誘導は認められない。ところが、B16担癌マウスの腫瘍塊局所に単独で、rIFN-beta, rIFN-gamma, rR9-GRIM19を接種すると、有意な抗腫瘍効果を発揮するが拒絶効果はみとめられない。しかし、rIFN-beta /rIFN-gamma + rR9-GRIM19 をB16腫瘍塊内に接種すると、潰瘍形成を伴う完全拒絶を認めた。このrIFN-beta /rIFN-gamma + rR9-GRIM19による強力な抗腫瘍効果が、腫瘍特異的メモリー効果を誘導しうるかを検討するため、完全拒絶マウス30日後に、B16細胞株を再接種した。しかし、再接種後のB16メラノーマはナイーブ mouse に接種するのと膿瘍な増殖速度をみとめ、メモリー効果は期待できなかった。
このように、腫瘍局所内rR9-GRIM19は重篤な副作用をきたすことなく既存の癌治療と併用することで、相乗的な抗腫瘍効果が期待できると考えている。
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