2016 Fiscal Year Annual Research Report
Signal intensity can determine cell fate
Project/Area Number |
26461683
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
原田 和俊 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20324197)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | β-catenin / 毛嚢 / 皮膚表皮細胞 / 悪性黒色腫 / 転移 / EMT |
Outline of Annual Research Achievements |
培養表皮細胞にtet on遺伝子発現系の遺伝子導入を行い、テトラサイクリン濃度依存性にβ-cateninの発現を調節できるシステムの開発を試みていた。しかし、遺伝子導入したプラスミドのプロモーターが培養表皮細胞で機能しない可能性があり、β-cateninの過剰発現系の構築は不可能であった。 そこで、近年注目されている、β-cateninと悪性黒色腫の増殖、転移の関連につき、検索することとした。一般に過剰な増殖刺激は細胞に老化(senescence)を誘導する。この現象が培養悪性黒色腫細胞においても、認められるかどうかをcyclin inhibitor p16を用いて検討した。さらに、悪性腫瘍の転移に重要な役割を演ずるEMT(epithelial mesechymal transition)がβ-cateninによって、悪性黒色腫にも誘導されるかを検討した。 一方、転移は原発巣での腫瘍組織の増大、脈管への浸潤、anoikis抵抗性の獲得、転移臓器への腫瘍の定着及び増殖が必要である。これらの現象の解析は、in vitroの細胞培養システムでは不可能である。そこで、in vivoの転移モデルを開発することとした。これまでの転移モデルは、マウス尾静脈へ腫瘍細胞株を注射し、肝臓や肺に出現した転移巣を解析する方法が用いられてきたが、今回、我々が主に解析を行うEMTは原発巣の腫瘍細胞が脈管浸潤を引き起こす際に重要であり、従来のシステムでは十分な解析が不可能である。そこで、皮膚に腫瘍細胞株を接種し、その腫瘍細胞が転移を引き起こすモデルの開発を試みた。
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