2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461685
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川村 龍吉 山梨大学, 総合研究部, 講師 (70262657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概日リズム / ウイルス感染 / 樹状細胞 / 表皮角化細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的>異性間性行為においてHIV感染者の精液・膣分泌液中に含まれるHIVがパートナーの外陰部・性器に曝露される際、HIVは粘膜・皮膚上皮から侵入後、所属リンパ節に運ばれて宿主での永久的な感染を成立させる。そこで、性行為HIV感染における最も重要な初期ターゲット細胞である表皮内ランゲルハンス細胞(以下LCs)のHIV susceptibility (HIV易感染性)に概日リズムが存在するか否かについて検討した。 <方法> まず、健常ボランティアの末梢血から得た単球をGM-CSF/ IL-4/ TGF-b存在下で一週間培養することで単球由来ランゲルハンス細胞(monocyte-derived LCs; mLCs)を作製した。次に、LC上のHIV感染レセプターであるCD4, CCR5発現の日内変動をフローサイトメトリーにて検討した。さらにmLCsに50% horse serumによるSerum shockを行い、各mLCs細胞の時計遺伝子を同調させたのち、24h, 30h, 36h, 42h, 48h後にHIV BaL(R5 HIV)をTCID50 = 100000/mlで曝露し、2時間後にmLCsを3回PBSにて洗浄後培養した。HIV曝露7日後にそれぞれのmLCs群を回収し、PE標識抗langerin抗体およびAPC標識抗CD11c抗体(ともにLCマーカー)で染色後、FITC標識抗HIVp24抗体でintracellular stainingし、フローサイトメトリーにてmLCsのHIV感染率を比較解析した。 <結果と考察> mLCsにおけるCD4, CCR5発現において日内変動は観察されなかった。またmLCsのHIV感染率においても概日リズムは観察されなかった。同様の実験をmonocyte-derived DCs; mDCsにおいても検討したが、HIV感染レセプターの発現およびHIV感染率において概日リズムは観察されなかった。現在、ヒト(HSV)ヘルペスウイルスについて、その重要な感染ターゲットである表皮角化細胞を用いて同様の実験を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
性行為HIV感染における最も重要な初期ターゲット細胞である表皮内ランゲルハンス細胞のHIV易感染性に概日リズムが存在しないことが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ヒト(HSV)ヘルペスウイルスについて、その重要な感染ターゲットである表皮角化細胞を用いて、HSV感染レセプターの発現およびHSV感染率に概日リズムが存在するかを検討中である。
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Causes of Carryover |
消耗品が予定より安く購入できたため余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記で生じた余剰金は本年度の消耗品として使用する予定である。
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Remarks |
http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/dermatol/index.html
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