2016 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of the Nagashima-type palmoplantar keratosis caused by SERPINB7 protease inhibitor deficiency
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26461701
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
塩濱 愛子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40383731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 貴史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70306843)
久保 亮治 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70335256)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 皮膚遺伝学 / 遺伝性角化症 / ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
長島型掌蹠角化症(NPPK)は非進行性の境界明瞭な紅斑、軽度の過角化や皮疹、多汗を伴う常染色体劣性の遺伝形式を示す遺伝性角化症である。申請者らはNPPKの原因遺伝子であるSERPINB7の新たな変異探索するためにNPPK患者のゲノム解析を進めている。 平成28年度は新規のミスセンス変異(c.382C>T)とフレームシフト変異(c.635delG)をそれぞれ同定し、既知変異とのコンパウンドヘテロ接合で有する2症例について報告した(Nakajima K. et. al. 2016, Katsuno M, et. al. 2017)。これらの症例における患者組織切片を抗SERPINB7抗体を用いた免疫組織染色法を行った結果、表皮顆粒細胞層内におけるSERPINB7タンパクの発現が消失、もしくは滞留していることを見い出し、それぞれの新規変異が病原性変異であることを明らかにした。 さらにヘテロ接合であるが片アレルでの変異未同定患者を絞り込み、全SERPINタンパクグループに該当するヒトゲノム領域をターゲットリシーケンシングによる次世代シーケンシング法にて解析中である。 過年度に引き続き、SERPINB7タンパクを欠損したモデルマウスの解析を行った。マウスの足底は非常に汗腺の数が少なく、ヨードデンプン反応を用いた発汗テストを行うことで汗腺の数を計測した。その結果、申請者らが作製したモデルマウスは遺伝的背景がB6/Nであったため、野生型マウスと汗腺の数は変わらず、SERPINB7ノックアウトマウスは汗腺の発生に直接影響を与えないことを明らかとした。ヒトと同様の症状や形質を見出すためには、足底にて汗腺を近交系マウスであるFVB/Nと比較する必要があるため、ノックアウトマウスの遺伝的背景を揃えるためにFBV/Nに戻し交配を行った上での解析を計画している。
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Remarks |
長島型掌蹠角化症-疾患の発見から原因遺伝子の解明へ- 久保 亮治(本研究課題:研究分担者)
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Research Products
(4 results)