2014 Fiscal Year Research-status Report
悪性黒色腫遺伝子変異誘導機構の解明と新規予防法の開発
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26461706
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中村 元信 産業医科大学, 医学部, 教授 (30303837)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / メラノーマ / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫患者切除標本パラフィン切片を遺伝子変異誘導蛋白AID、APOBEC3Bに対する抗体を用いて免疫組織化学を行い、高発現群と低発現群に分類し、それぞれの群のBRAF遺伝子変異と転移の有無について検討を行った。16名の悪性黒色腫患者標本を調べたところ、10名がAID高発現群、6名がAID低発現群に分類された。10名のAID高発現群患者のうち、9名に悪性黒色腫組織におけるBRAF遺伝子変異がみられたが、1名には悪性黒色腫組織におけるBRAF遺伝子変異はみられなかった。6名のAID低発現群患者のうち、悪性黒色腫組織におけるBRAF遺伝子変異がみられた患者はなく、6名全員とも悪性黒色腫組織におけるBRAF遺伝子変異はみられなかった。これらの結果よりAID高発現とBRAF遺伝子変異とが相関関係にあることが推測された。10名のAID高発現群患者のうち、8名に悪性黒色腫の転移が観察されたが、2名には転移はみられなかった。6名のAID低発現群患者のうち、悪性黒色腫の転移がみられた患者はなく、6名全員とも悪性黒色腫転移はみられなかった。以上の結果よりAID高発現悪性黒色腫において転移も高頻度におこしていることが明らかとなった。一方、APOBEC3Bに対する抗体を用いて免疫組織化学を行ったところ、9名がAPOBEC3B高発現群、7名がAPOBEC3B低発現群に分類された。9名のAPOBEC3B高発現群患者のうち、5名にBRAF遺伝子変異がみられたが、4名にはBRAF遺伝子変異はみられなかった。7名のAPOBEC3B低発現群患者のうち、悪性黒色腫組織におけるBRAF遺伝子変異がみられた患者はなく、4名にBRAF遺伝子変異がみられたが、3名にはBRAF遺伝子変異はみられなかった。これらの結果よりAPOBEC3B発現とBRAF遺伝子変異の間に相関関係がないことが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪性黒色腫患者組織の結果を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
AIDを高発現させた色素細胞における変化を観察していく方針である。
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Causes of Carryover |
平成26年度の実験が予定より順調に進行しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には実験成果を海外学会、国内学会でも積極的に報告する予定である。
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