2014 Fiscal Year Research-status Report
抗精神病薬の作用機序を探る;Kv3チャネルファミリーの発現調節
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26461727
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
柳 雅也 近畿大学, 医学部, 講師 (10418775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 治 近畿大学, 医学部, 教授 (40243307)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗精神病薬 / 統合失調症 / Kv3.1 / Kv3.2 / 前頭前野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合失調症の病態により直接的に作用する新規抗精神病薬の開発に向け、その土台となる知見を電位依存性カリウムチャネルのひとつであるKv3.1およびそのファミリーを中心に集積するものである。研究代表者らはこれまでの研究で、抗精神病薬により統合失調症前頭葉にみられるKv3.1の減少が改善されることを見出した(Yanagi et al.Mol.Psychiatry 2014)が、抗精神病薬が特異的にKv3.1に作用しているかを知るためには、Kv3チャネル全体に対する抗精神病薬の影響を検討する必要がある。特にKv3.1とKv3.2はとともに前頭葉のFast-spiking GABAニューロンに特異的に発現しており、このニューロンをfast-spikingたらしめる高頻度発火の機能をこれら2種類のチャネルは司っている。 今年度は、研究分担者である白川教授による助力のもと、近畿大学医学部精神神経科に用意された一室を改造し、フリーザーや遠心分離機、解析ソフトや解析機器などといった研究室に必要な器具類のセットアップをおこなった。また、研究協力者であるTamminga教授の協力のもと、ハロペリドールもしくはリスペリドンを長期間(6か月間)経口投与されたラットの前頭前野におけるKv3.1およびKv3.2のタンパク定量をおこない、コントロール群との比較解析をおこなった。この解析の結果、Kv3.1に対しては抗精神病薬は一様の反応を示すものの、Kv3.2については抗精神病薬の種類や容量によって多様な反応をとりうることが明らかとなってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的な研究室のセットアップが無事に完了した。また、Tamminga教授との共同研究が順調にすすみ、抗精神病薬のKvファミリーにおける影響についてのデータを蓄積しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
抗精神病薬がKv3.1に対しては一様な影響を及ぼしている一方、Kv3.2についてはその種類や容量に応じて異なった影響を及ぼしている点について、GABAニューロンの機能との比較を中心に解析を加える予定にしている。 またKv3ファミリーの他のメンバーであるKv3.3およびKv3.4についても解析をおこなう予定にしている。
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Causes of Carryover |
研究室のセットアップに関わる費用に関し、おもに近畿大学医学部精神神経科学教室の講座費からの援助を受けたため、一部を次年度予算に繰り越すことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した助成金はおもに翌年度の研究補助員への人件費に充てる予定であり、当初予定の次年度助成金は当初の計画に沿って翌年度のデータ解析にかかる費用に充てる予定である。
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