2016 Fiscal Year Annual Research Report
Searching for mechanism of antipsychotic action; modulation of Kv3 channel family
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26461727
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
柳 雅也 近畿大学, 医学部, 講師 (10418775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 治 近畿大学, 医学部, 教授 (40243307)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合失調症 / Kv3.1 / Kv3.2 / GAD65 / GAD67 / パルブアルブミンニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに本研究において得られた所見は以下になる。 定型抗精神病薬であるハロペリドールと非定型抗精神病薬であるリスペリドンの長期投与を受けたラットの脳サンプルを用いたウェスタンブロッティングにより、同容量のハロペリドールとリスペリドンの比較では、前頭葉においてはKv3.2タンパクはハロペリドール投与により増加する一方、リスペリドン投与によっては減少することが見いだされた。これは、いずれの薬剤においても増加をみとめたKv3.1タンパクとは反応性を異にする。さらに同部位において、GABA神経伝達のマーカーであるGAD65とGAD67のタンパク定量をおこなったところ、Kv3.2の発現量はGAD65と有意な相関を示した一方で、Kv3.1はGAD65との相関をみとめなかった。GAD67はKv3.1、Kv3.2いずれとも相関を示さなかった。また、Kv3.2タンパクのハロペリドール及びリスペリドン投与による変化は、小脳においても同様の変化をみとめたが、海馬や視床、線条体においては変化をみとめなかった。 以上より、Kv3.2は前頭葉においてGABA神経伝達に関わっており、定型および非定型抗精神病薬が共通してもたらす抗精神病作用よりもむしろ、両薬剤の臨床薬理学的効果の差異に寄与していると考えられ、これらの結果を平成28年度の精神神経学会にて報告した。また、以上の所見について論文にまとめ、現在英文雑誌への投稿を準備している。
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Research Products
(1 results)