2015 Fiscal Year Research-status Report
脳機能の視覚化による認知行動療法の効果増強:NIRS-CBT研究
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26461736
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小野 樹郎 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (40721014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正人 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20221533)
武井 雄一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30455985)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NIRS / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、簡便かつ非侵襲的に繰り返し脳機能を測定できるという近赤外線スペクトロスコピィNIRSの特色を活かして、パニック障害に対する認知行動療法の脳機能への影響を経時的に評価し、治療効果の判定に有効なbiomarkerを確立することを目的とする。さらに、このbiomarkerのフィードバックを組み合わせることにより、モチベーションをより強化しながら認知行動療法(biomarker-supported CBT)を施行し、通常のCBTとの比較検討を行い、パニック障害の臨床へ実用化することを目指す。 平成27年度は、前年度に引き続き、パニック障害の治療効果判定に感度のあるbiomarkerを確立するため、パニック障害を対象として計20週10セッションの通常のCBTを行い、治療導入前・治療中(4週毎)・治療直後・治療終了後3か月の時点で、症状評価・治療に対するモチベーションの評価・NIRS測定を行うこととした。また、各時点におけるNIRSデータと治療経過中のパニック症状の変化との関係について解析を行い、治療効果判定に有用なbiomarkerを決定し、それを即時に患者へフィードバックするためのシステムを確立する予定とした。 計画に基づき、当院外来にてパニック障害のCBTを行い、平成28年3月までに計7例が終結した。さらに2例が現在治療中であり、その後も数例の候補が控えている。CBTの治療者を増やす取り組みも続けている。 また、最初の4例について解析したところ、CBT前後のパニック障害の改善に伴い、NIRSにて両側前頭部・側頭部のoxy-Hb平均賦活量が増加していた。その旨を平成27年11月に開催された第45回日本臨床神経生理学会学術大会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合併症がなく、CBTの対象となり得るようなパニック障害患者が当院に少ない現状があり、計画と比較するとCBTを導入できた例はまだ少ない。治療者の育成に取り組んでおり、少しずつCBTを行える治療者は増えている。症例数は少ないが、CBT前後のNIRS波形の変化について報告することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中のCBTを進める。治療者の育成も継続することにより、症例数を増やす取り組みも継続する。十分な症例数が集まった時点で、CBT前後のNIRS波形の変化についても統計的な解析を行う。
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