2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of unsafe driving behaviors of elderly drivers by using drive recorders and brain images
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26461756
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00190728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 元基 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (10345085)
藤田 佳男 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (40584206)
仲秋 秀太郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80315879)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 老年精神医学 / 軽度認知障害 / 自動車運転適性 / 実車評価 / 高次脳機能障害 / 神経心理学 / 高齢ドライバー / リスク認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
運転行動に問題が生じうる高次脳機能障害者と軽度認知障害者を対象に、頭部MRI画像、運転適性に関する神経心理学的検査、有効視野検査(以下VFIT)、簡易ドライビングシミュレータ(以下DS)、新たに開発された脳卒中患者の運転適性スクリーニング検査日本語版(以下J-SDSA)を用いて多面的な運転能力評価を実施した。対象者のプライバシーや倫理上の問題から、実生活と密接につながる市街地走行の路上評価を実施することは困難であり、指定教習所にて実車行動に対する教習指導員の評価、およびドライブレコーダーを用いた作業療法士による事前・事後評価に切り替え、それぞれの関連について検証を行った。対象者の不安全行動を定量的に評価するために、教習指導員の協力を得て運転行動評価表を作成した。この評価表を用いてドライブレコーダー画像での評価を行い、その成績を評価対象者の運転行動に関する自己評価(実車評価の事前、事後の2回実施)と比較し、その関連性を検討した。その結果、教習指導員の評価と、ドライブレコーダーを用いた作業療法士の事後評価は高い関連を示した。また、教習指導員による実車評価成績が低い者は実車評価前の自己評価が相対的に高かったが、実車評価後には低下した。これは、運転に関わる自身の身体および認知機能に不安を感じていない対象者が、その低いリスク知覚の影響で不安全行動を行った結果、実車評価および事後評価ともに低い結果となったものと推測される。また、頭部MRI画像、神経心理学的検査、VFIT、DS、J-SDSAと実車成績との間には明らかな関連は認めなかった。これは今回の対象者がいずれも神経心理学的検査で一定レベル以上の成績であり、主治医が実車評価を許可した対象者であったためであると考えられた。本研究では、運転に関する自己評価が、適切な運転行動に大きく寄与していることが明らかとなった。
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Research Products
(16 results)