2015 Fiscal Year Research-status Report
脳損傷後に生じる社会的行動障害の多面的・縦断的研究-構造・機能画像を用いて-
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26461766
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 敬太 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60573079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 玄一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70402261)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 外傷性脳損傷 / 社会行動障害 / 神経画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳損傷後に生じる高次脳機能障害について、社会行動障害を含めた症候学的特徴とその神経基盤を、局所脳損傷・び漫性軸索損傷の二型の外傷性脳損傷で主に検討することを目標としている。平成26年度は、MRIの修理が必要となり、症例数の蓄積が計画通りに進まなかった。本年は、症例数の蓄積に注力し、結果、局在損傷11例、びまん性軸索損傷12例、合併(びまん性軸索損傷+粗大な損傷例)3例、計26例のMRI撮像・心理検査を行った。現在、び漫性軸索損傷については、総計20例に達したため、resting state functional MRIおよびtractographyを利用してコネクトーム解析などを行っているところである。予備的検討では、脳梁の機能不全を反映し、左右半球の機能的・構造的連結が低下していることが示唆されているが、今後統計解析手法などを改良し、発表していく予定としている。また、昨年度に報告した睡眠障害については、一般的睡眠障害尺度を全症例で取得しており、今後解析を進める予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数の蓄積が、平成27年度はおおむね順調に進んだと考える。研究代表者の勤務する各医療機関で、新規症例を一定のペースで積み重ねることができ、研究協力機関との連携も、話し合いを重ねる中でスムーズに行うことができるよう工夫した成果と考える。解析自体は、現在も進めつつあるが、一定数症例を蓄積してからとなるため、平成28年度に主に行っていく予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性期症例については、順調に症例の蓄積が行えている一方で、急性期から亜急性期の症例については、まだ症例数の蓄積は不十分である。外傷性脳損傷は、急性期は救急病院に運ばれることが多いため、現在救急病院との話し合いを行っているところであり、早急に協力体制を作り上げたいと考えている。それ以外の点については、基本的に順調に進んでおり、症例の蓄積を現状通り進めながら、本年度後半以降は、解析についても鋭意進めていく予定としている。
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Causes of Carryover |
症例数が予定に満たなかったため、謝金費用に残金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に謝金に使用していく予定としている。
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